ベトナムでの化粧品販売に必要な化粧品開示手続きを解説
日本の化粧品をベトナムで販売するには、現地販売代理店との連携が不可欠です。
商品を日本から購入・輸入する以前に、販売代理店はベトナム国内で予め商品毎にライセンスを取得する必要があるためです。
所謂「化粧品開示手続き」
5年間の有効期限付き。
当手続きは、販売代理店である現地のパートナー企業がベトナム国内で行います。
この手続きの概要は、日本側も把握しておく必要があります。
なぜなら、手続きに必要な申請書類のほとんどは、日本国側(製造メーカーや商社)が手配するからです。(申請書類の詳細は後述。)
実際、現地ベトナム側の手続きの進捗や準備書類の詳細を把握しきれず、モヤモヤした気持ちを抱えておられるご担当者様は少なくないのでは..?
当記事では、ベトナムのローカル法人に所属し、ベトナム市場に日本の化粧品を流通させている(= 化粧品開示手続きを行なっている)筆者の経験談をもとに、化粧品開示手続きについて網羅的にお伝えします。
[運営者情報]
ホーチミン市在住7年目
現地のベトナム法人に所属
同社唯一の外国人
[弊社情報]
<物流業>
ベトナムに工場を持つ日系企業様の輸出入や国内輸送をサポートしています。
<販売業>
日本の化粧品をメインで取り扱う実店舗・自社オンラインショップの運営並びに、小売店様への卸販売を展開しています。
公式EC: [ROKUHACHI MART]
Shopee: [@rokuhachimart]
ホワイトペーパー|目次
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化粧品開示手続きの実績
| 商品概要 | 化粧品(ヘアケア、スキンケア、フェイスケア等) |
| 申請商品数 | 213SKU |
| ライセンス取得数 | 195SKU |
| ライセンス未取得・取得不可 | 9SKU |
私が所属するの現地法人(以下”弊社”と称する)は、初回申請時(2023年8月〜12月の5ヶ月間)に170SKU分の商品ライセンス(化粧品開示書受領番号_Công Bố)を取得しました。
取得した化粧品開示書 一部公開(有効期限は5年)2024年12月現在、およそ204SKUの化粧品開示書受領番号を取得。
当記事の更新現在、化粧品28SKUの開示手続中。
- 自社商品を輸出したい日本メーカー
- 取扱商品を輸出したい日系商社
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化粧品開示手続きの申請先「ベトナム保健省医薬管理局(DAV)」へ提出する申請書類とは
| 申請先_省 | ベトナム保健省 (MOH: Ministry of Health) |
| 申請先_局 | 医薬管理局 (DAV: Drug Administration of Vietnam) |
| Webサイト | 保健省医薬管理局 |
化粧品開示手続の申請先は、「ベトナム保健省の医薬管理局(DAV)」です。
同局への申請書類は、主に下記5点です。
- 商品パッケージの表裏面情報
- 商品の成分表(COA)
- 委任状(LOA or POA)
- 流通業者(ベトナム側販売店)の企業登録証明書(ERC)
- その他資料(*1)
ひとつづつ見ていきます。
①商品パッケージの表裏面情報
2ndラベル: 裏面表示をベトナム語翻訳したラベル販売代理店が裏面情報をベトナム語に翻訳し、当局へ提出します。
ベトナム国内で販売する際には、商品の裏面表示をベトナム語翻訳したラベルを貼付することが定められています。
[ベトナム化粧品管理規則: Circular 06/2011/TT-BYT]
購入者であるベトナム人は、このラベルやオンラインショップに掲載している商品情報やSNS上にアップされた商品レビューを頼りに商品の情報を得て購入に至ります。
※注意: 取引先のベトナム企業に日本語ができるスタッフまたは日本人が在籍していない場合、英語版の裏面表示情報の共有を求めれられることがあります。
関連記事: ベトナムで化粧品を販売する際に貼付が義務付けられている裏面ラベルについて解説
②商品の成分表
| COA | Certificate of Analysis |
*上図はAI生成画像(書式サンプルではありません。)各商品の成分表を提出します。この書類をもとに、保健省が化粧品の使用目的と安全性および効果と品質を確認するためです。
成分表は「英語INCI」と「配合量」の提示が必要で、日本側(製造会社)が準備します。
※基本、英語版資料を要求されます。
③委任状
| LOA | Letter of Authorization |
*上図はAI生成画像(書式サンプルではありません。)当書類は、日本側(商社または製造会社)が準備します。
LOAは、POA[Power of Attorney]と称されることもありますが、委任状としての効力に違いはないらしいですが、提携先のエージョントや自社法務への確認が好ましいです。
また、当資料は、日本にあるベトナム領事館で認証(公証)が必要な書類です。
④流通業者の企業登録証明書(ERC)
| 企業登録証明書(ERC) | Enterprise Registration Certificate |
当証明書は、ベトナム側の販売代理店に関する証明書です。
企業が合法的に事業活動を行うための登録証明書です。
ベトナムで法人を設立する際に、投資計画局(DPI: Department of Planning and Investment)から発行される公式な証明書で、ERCの発行によって、法人として認められ、ベトナム国内での事業活動を開始できます。
⑤その他資料(*1)
商品によっては、追加資料の提示を求められる場合があります。
こちらは、ベトナム保健省医薬管理局の担当者からの指示次第です。要求があれば都度対応していくほかありません。
弊社の例を挙げると、プラセンタの成分に関する説明書、ワセリン成分に関する説明書、フロクマリンの含有(シトラスの抽出物)の3商品に対して追加資料を求められました。
| フェイスマスク | プラセンタの成分に関する説明資料 |
| ボディクリーム | ワセリン成分に関する説明資料 |
| ボディクリーム | フロクマリンの含有関する説明資料 |
イレギュラーとまで言いませんが、こうした追加資料の発生はよくあります。
昨今、当局の取り締まりが引き締められる動きがあり、これまでライセンス未取得(または偽造)で活動していた多くの現地企業が廃業や罰金を課せられています。
参考記事: 化粧品申告書受領番号の取り消しに関する決定第335/QD-QLD号|ベトナム保健省医薬管理局
PIFを作成・保管しておらず、医薬管理局からの開示要求に対応出来なかったため、化粧品開示書受領番号の取り消された事例。
その影響から、化粧品開示手続き完遂するまでに要する日数が大幅に伸びてしまっています。
企業と企業の信頼関係も大切ですが、実務を行う双方の担当者同士の人間関係の構築が非常に重要だとひしひし感じています。
参考リンク
保健省通達第06/2011/TT-BYT号: 化粧品管理に関する規制|べトナム法律の図書館
ホワイトペーパー|目次
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化粧品開示手続きあるある
1. 輸出までの計画が立てられない
弊社が行っているケースや他社の話を聞く際もそうですが、いつ頃ライセンスが取得できるかの予定が把握できないケースが多いです。
ベトナム側からの「保健省医薬管理局のソフトウェアのシステムエラーで進捗が止まっています」報告は、通常運転だと思っていただいて差し支えないです。
日本側は、メーカー様または社内での在庫確保や船積みスケジュールの調整などシビアな問題ですが…。すみません。
2. 物理的距離感が心理的距離感に直結する
手続き上、日本側がどうしても確認したい事項が必ず出てきます。
それに対して、ベトナム側のスムーズなリアクションを願いたいところですよね。
頻繁に訪越できない日本側担当者はもちろん、現にベトナムへ駐在している担当者にとっても、現地パートナー企業の担当者との関係構築は、事業を進捗させる上で重要な要因です。(かく言う筆者も、お取引している日系商社のご担当者様に毎々お助けいただいているのですが..。)
実例|日本商社から輸入した商品が自社店舗に並ぶまで
2023年7月〜9月
商品代金のお支払い&化粧品開示手続きの進捗。
2023年12月
商品開示手続きが完遂→商品代金のお支払い→船積み手続きの依頼。
2023年12月
ホーチミン市カトライ港へ到着。
20ftコンテナで輸入日本側が輸出時に手配していただきたい書類一式と各書類が必要なタイミングを別記事でまとめています。
別記事: 輸出書類|日本の化粧品をベトナムへ輸出する際に手配してもらいたい書類を輸出手順と共に解説
ホーチミン市ビンタン区にある自社店舗の陳列
ホーチミン市ビンタン区にある自社店舗ローカル店の雰囲気が漂うこぢんまりしたお店ですが、地域の方々に気持ちよくご利用いただけれるようスタッフ一同日々、運営しております。
自社店舗運営のほかに、複数のチャネルで商品を販売しています。
- 公式オンラインショップ
- 大手ECショップ「Shopee」
- 卸販売(買取・委託)
- 企業向けの販促
関連記事: ベトナムで化粧品を流通させるには?|基本規制・申請手続き・リスク・実務フローを現地実務者が徹底解説
関連記事: PIFとは?|商品輸入後にベトナム化粧品製品情報ファイルを作成・保管する必要があります。
関連記事: 委託販売|ベトナム市場にとって新しい商品の販路開拓で取り組んでいること。
関連記事: 社員販売|アマタ工場団地の某日系工場様向けに、特別SALEを実施させてもらいました。
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