ベトナムの旧正月「テト(Tết)」期間の旅行(渡航)は、ベトナム文化に触れたい・体験したい方にとっては、忘れられない非日常体験になるでしょう。

一方、にぎやかなで活気あふれるホーチミン市観光を楽しみたい方は、テト期間の旅行を避けるのがおすすめです。

本記事では、初めてベトナムを訪れる日本人旅行者向けに、テトの基本情報、テト休暇期間中の街の様子、旅行時の注意点の3点をお伝えします。

ちなみに、ベトナム在住の日本人(駐在員とご家族)は、テト期間を利用して日本へ一時帰国される方が多いです。日本で休暇を楽しむか、もしくは否応なく本社へ通勤されるパターンに大体集約されます。

 

「テト」とは何か

由来と意味

テト(正式名称: Tết Nguyên Đán) 旧暦に基づくベトナムの正月

テトとは、旧暦に基づく旧正月を指します。

ベトナムで最も重要とされる長期休暇期間で、日本のお正月とは雰囲気も過ごし方も大きく異なります。

一般的な過ごし方

大掃除と元旦を迎える準備:

厄を払い幸運を招き入れるために、家の中を徹底的に掃除します。

家族の集まり:

故郷に帰省し、家族・親戚が一同に集まり1年の始まりを迎えるのが一般的な過ごし方です。普段、大都市ホーチミン市などで生活する人々にとって、遠く離れた家族と再会する貴重な時間です。

伝統料理:

笹の葉で包んだ餅「バイン・チュン(Bánh Chưng)」や、ハム、鶏肉料理などが食卓に並びます。

装飾(お花・飲食物):

北部では桃の花、南部では黄色い梅の花、金柑の木などを飾り、赤や金色の縁起の良い色で街中が彩られます。

儀式:

仏壇を整え、先祖の霊を迎え入れ、お墓参りをして感謝を伝えます。

お年玉(*):

年長者が子供たちに「赤いお年玉袋(Lì xì)」を渡し、健やかな成長を願います。

(*): お年玉(ラッキーマネー): 北部と南部で呼び方が異なります。北部: Mừng tuổi (ムントゥオイ) / 南部: Lì xì(リーシー)

この期間は、ホーチミン市など大都市からの帰省(Uターン)が特徴で、多くの人が実家へ戻り故郷の家族や親戚と共にゆっくりと過ごします。

日本の正月との違い

日本のお正月と比べると、テトにはいくつか大きな違いがあります。

帰省規模が圧倒的

都市部で働く人が一斉に実家へ戻るため、都市部は一時的に人が減ります。

日本と比べて、農村から都市への人口移動が活発なので、テト期間は、空港混在・高速道路の渋滞が常です。

長期休暇になる

数日〜1週間以上の連休になることが一般的です。2026年のテト休暇は9日間。

街全体が静かになる

都市部でも個人商店や飲食店が閉まるケースが多く、日本の「初売り」とは正反対の雰囲気です。

ニューイヤーセールは、大体テト休暇直前の大量消費に焦点を合わせて開催されます。

 

2026年のテト期間と街の様子について

ベトナムの正月(テト)について民族衣装「アオザイ」を身に纏う親子

2026年のテトはいつ?

2026年の元日は、2月17日(火)です。

休暇期間は、2026年2月14日(土)〜2月22日(日)の9連休となりました。[政府官房 文書番号: 9859/VPCP-KGVX]

テト期間中のホーチミン市の様子

ホーチミン市では、テト前とテト中で街の雰囲気が大きく変わります。

テト直前 テト当日〜数日間
  • グエンフエ通り周辺が花市場に変貌
  • 買い出しで街が最も活気づく
  • 写真映えスポットが多い
  • 仕事に身が入らない
  • ローカル店や小規模飲食店が休業
  • 交通量が激減し街が静かになる
  • 観光地は比較的空く
  • テト期間限定の写真映えスポットが多い

テト期間中に「人口1,000万人超のエネルギッシュな国際都市ホーチミン市」を期待して行くと、拍子抜けしてしまうでしょう。

街が静かで営業しているお店も限られ、本来のホーチミン市を体験できません。

 

旅行者が注意すべきポイント

飲食店・ショップの休業や営業時間の変更に注意

テト期間中は、

  • 家族経営のレストラン
  • ローカルカフェ
  • 個人商店

の多くのお店が休業します。

とは言うものの一方で、大型モールや外資系レストラン、ホテル併設店等は、ほとんどのお店が通常営業しています。

飲料や食料すら調達できない事態には陥らないので身構える必要はありません。

交通・移動手段について

前述した通りテト前後は、交通機関が非常に混雑します。

  • 空港(特に国内線)
  • 長距離バス

2024年度のテト休暇では、1日あたり約15万人が空港を利用。

一方、ホーチミン市内の交通量が極端に減るため、Grab(配車アプリ)での移動は比較的スムーズです。

現金の準備について

テト期間中は、ATMや銀行が休業する場合があります。

そのため、「普段より少し多めの現金」と「クレジットカード併用」を準備しておくと安心です。

テトならではの楽しみ方について

もちろん、テト期間ならではのベトナム旅行の魅力もあります。

  • 花市やライトアップなど、正月飾りで彩られた街並みを満喫できる
  • 伝統衣装「アオザイ」を着た人々がそこらじゅうで写真撮影している

外国人観光客にとっては、1年の中でベトナム文化を最も色濃く感じられる時期とも言えます。

主要な観光地巡りより、日本の寒さから逃れ常夏でリトリートしたい方にはおすすめできる旅行時期でもあります。

 

さいごに|テト期間中のベトナム旅行を検討しているあなたへ

テト期間中のベトナム旅行は、事前知識がないと不便ですが、理解していれば特別な文化体験ができるでしょう。

2026年にテト時期のホーチミン旅行を予定している方は、

  • お店の営業情報の事前確認
  • 移動・現金の余裕を持った準備
  • 正月飾りで彩られた街並みの撮影
  • 観光スケジュールの作成

これらを意識れば、ベトナム旅行の満足度が高まるでしょう。

 

代案|あえて、テト明けのベトナム旅行も有りかも?(航空券の料金が下がるので。)

テト明けは、繁忙期から閑散期へ切り替わるタイミングなので、航空券が大幅に下がります。

いち事例

2024年テト明けの航空券 片道16,695円/名
Vietjet Air(関西国際空港タンソンニャット国際空港)

大学生など時間調整が比較的容易で、できるだけコストを下げたい方は、あえてテト明けの旅行を検討してみても良いかもしれません。