当記事では、別記事「日本からフランスへの海上輸送コストをシミュレーションしてみる。」の内容により踏み込んで、「中価格帯の日本産ウイスキーを、100ケースLCLで送った場合の1本あたりの着地コスト」を、関税や酒税を含めて概算してみます。(*あくまでも概算です。)

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フランスでは2026年1月1日より酒税(Excise Duty)が改定されており、最新の税率に基づいたシミュレーションとなっています。

 

コスト概算を行う上での前提条件

項目 情報
商品(1SKUのみ) 日本産ウイスキー(JSLMA基準 100%準拠)
商品詳細 700mlボトル、アルコール度数 43%
原産国 日本(蒸留・熟成・ボトリングの全工程を国内で実施)
商品総数 1,200本
ケース数 100ケース
入り数 12本入り/ケース
商品原価/本 3,500円(*)
HSコード 2208.30(ウィスキー類)
輸送方法 LCL(混載便)
積揚港(POL) 大阪港
荷揚港(POD) ル・アーヴル港
貿易条件 FOB
為替レート 1ユーロ = 165円 / 1ドル = 150円

(*): 中価格帯の日本産ウィスキーを想定。

 

コスト内訳表

項目 合計 1本あたりのコスト 備考
商品原価 ¥4,200,000 ¥3,500 日本国内調達・港搬入価格(= 約€18.94)
海上運賃・保険・諸手続 ¥120,000 ¥100 LCL運賃, 保険, 輸出通関等
関税 ¥0 ¥0 日EU・EPA適用により免税
酒税(*) ¥1,155,542 ¥963 €1,932.42/hlpa
社会保障貢献税(CSS) ¥1,161,435 ¥968 €589.46/hlpa
フランス国内経費 ¥60,000 ¥50 輸入通関手数料, 国内配送等
着地原価(VAT抜き) ¥6,696,977 ¥5,581 (= 約€30.20)
付加価値税(VAT) ¥1,339,395 ¥1,116 フランス標準税率 20%
最終着地コスト ¥8,036,372 ¥6,697 (= 約€36.24)

(*): 2026年税率

 

コスト構造の分析

税金がコストの約4割を占める

フランスでは、2026年より蒸留酒の酒税(Excise Duty)が引き上げられ、100%純アルコール1ヘクトリットル(hl)あたり€1,932.42となりました。

上表の通り、1本当たり約1,100円(酒税[996円]+社会保障税[108円])が、自動的に加算される計算です。

「日EU・EPA」の活用は必須

日EU・EPAの原産地規則に照らし合わせて、原産地規則を満たせば、関税優遇(または無税)対象となり関税を0%に抑えることができます。

一方、原産地証明を正しく行わない場合、通常4.5%〜の関税がかかってしうので注意が必要です。

原産地証明書: (C/O: Certificate of Origin)

現地販売価格の目安

1本あたりの着地コストが約6,697円(約€36.24)となる場合、現地の輸入商社マージンと小売店マージン(計40〜55%程度)が乗り、店頭価格は、€50 〜 €70程度になると予想できます。

これはフランス市場における「(プレミアム)ジャパニーズ・ウィスキー」のボリュームゾーンと一致しており、ビジネスとして成立する数字と言えます。