販売店事業

ベトナムでの化粧品販売に必要な化粧品開示手続きを解説

日本の化粧品をベトナムに輸出するには、現地代理店との連携が不可欠です。

商品を輸入する以前に、代理店は予め商品毎にライセンスを取得する必要があるためです。

所謂「化粧品開示手続き」です。
5年間の有効期限付き。

当手続きは、代理店(販売店)である現地のパートナー企業がベトナム国内で行います

並行輸入とは異なり、正規で商品を流通させたい場合、双方にとって化粧品開示手続きは必須工数となります。

 

当手続きは、日本側も把握しておく必要があります

なぜなら、手続きに必要な申請書類のほとんどは、日本国側(製造メーカーや商社)が手配するからです。(申請書類の詳細は後述。)

実際、現地ベトナム側手続きの進捗や準備書類の詳細を把握しきれず、モヤモヤした気持ちを抱えておられる方は少なくないのでは..?

当記事では、実際にベトナム側で化粧品開示手続きを行なっている筆者の経験談をお伝えします。

筆者📝:
フォワーダー業(貨物利用運送事業者)を主軸とするベトナムの現地企業に所属。当社新事業として日本の化粧品をメインに取扱う販売店事業を2023年に開始。

日々、弊社が輸入する化粧品の開示手続きを行っております。

ベトナム国内で、
・自社5店舗運営中
・オンラインショップ運営中
・卸販売中

オンラインショップ
公式: [https://www.rokuhachimart.com.vn/]
Shopee: [https://shopee.vn/rokuhachimart/]

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化粧品開示手続きの実績

私が所属するの現地企業(以下”弊社”と称する)は、2023年8月〜12月の5ヶ月間で170SKU分の商品ライセンス(化粧品開示書受領番号_Công Bố)を取得しました。

 

こんな方向けに執筆
  • 自社商品を輸出したい日本メーカー
  • 取扱商品や自社商品を輸出したい商社

 

化粧品開示手続きの申請先:ベトナム保健省医薬管理局への主な申請書類とは

ベトナム保健省医薬管理局への申請書類は、主に下記5点です。

  1. 商品パッケージの表裏面情報
  2. 商品の成分表 | COA
  3. 委任状委任状 | LOA or POA
  4. 原産地証明書 | C/O
  5. その他資料(*1)

ひとつづつ見ていきます。

 

①商品パッケージの表裏面情報

2ndラベル: 裏面表示をベトナム語翻訳したラベル

化粧品開示手続きを行う各商品の裏面表示を、ベトナムのパートナー企業に提出します。

パートナー企業が裏面情報を翻訳し当局へ提出します。

ベトナム国内で販売する際には、商品の裏面表示をベトナム語翻訳したラベルを貼付することが定められています。
[ベトナム化粧品管理規則: Circular 06/2011/TT-BYT]

購入者であるベトナム人は、このラベルを頼りに商品の情報を得て購入に至ります。

※取引先のベトナム企業に日本語ができるスタッフまたは日本人が在籍していない場合、英語版の裏面表示情報の共有を求めれられることがあります。

 

②商品の成分表|COA[Certificate of Analysis]

各商品の成分表を提出します。この資料をもとに、保健省が化粧品の使用目的と安全性および効果と品質を確認するためです。

当資料は、日本側(製造会社)が準備します。

※基本、英語版資料を要求されます。

 

③委任状委任状|LOA[Letter of Authorization]

当資料は、日本側(商社または製造会社)が準備します。

LOAは、POA[Power of Attorney]と称されることもありますが、どちらも効力は同じで公証役場向けの委任状です。

※当資料は、日本にあるベトナム大使館で認証(公証)が必要な書類です。

 

④C/O|原産地証明書

日本側(製造会社)が原産地証明書を提出できるなら、ベトナム側での関税が0%になります。

ベトナムのパートナー企業が必須で抱える費用として、VAT(付加価値税)があります。VATは[輸入契約価格+関税額(*)]合計額の10%が課税されます。

(*)関税額:
化粧品に関するHSコード3304から3307の税率は通常6%〜22%です。

つまり、原産地証明書が手配できないとベトナム企業側は関税額6%〜22%分のVATを支払う必要があります。

ベトナム側の立場からして、関税額は必ず0%でクリアしたいですよね。

そのため、ベトナムの市場価格と購入価格が合わず、取引を見送るケースがあります。

 

⑤その他資料(*1)

商品によっては、追加資料の提示を求められる場合があります。

こちらは、ベトナム保健省医薬管理局の担当者からの指示次第です。要求があれば都度対応していくほかありません。

弊社の例を挙げると、プラセンタの成分に関する説明書、ワセリン成分に関する説明書、フロクマリンの含有(シトラスの抽出物)の3商品に対して追加資料を求められました。

フェイスマスクプラセンタの成分に関する説明資料
ボディクリームワセリン成分に関する説明資料
ボディクリームフロクマリンの含有関する説明資料

イレギュラーとまで言いませんが、こうした追加資料の発生はよくあります。

企業と企業の信頼関係も大切ですが、実務を行う双方のご担当者様同士の人間関係の構築が同等に重要だとつくづく感じます。

 

手続きあるある

1. 輸出までの計画が立てられない

弊社が行っているケースや他社の話を聞く際もそうですが、いつ頃ライセンスが取得できるかの予定が把握できないケースが多いです。

ベトナム側からの「保健省医薬管理局のソフトウェアのシステムエラーで進捗が止まっています」報告は、通常運転だと思っていただいて差し支えないです。

日本側は、メーカー様または社内での在庫確保や船積みスケジュールの調整などシビアな問題ですが…。すみません。

 

2. 物理的距離感が心理的距離感に直結する

手続き上、日本側がどうしても確認したい事項が出てきます。

それに対して、ベトナム側のスムーズなリアクションを願いたいところですよね。(かく言う筆者も、お取引している日系商社のご担当者様に毎々お助けいただいているのですが..。)

 

実例|日本商社から輸入した商品が自社店舗に並ぶまで

2023年7月〜9月|商品代金のお支払い&化粧品開示手続きの進捗

 

2023年12月|開示手続きが完遂→商品代金のお支払い→船積み手続きの依頼

 

2023年12月|ホーチミン市カトライ港へ到着

20ftコンテナで輸入

 

ホーチミン市ビンタン区にある自社店舗の陳列

ホーチミン市ビンタン区にある自社店舗

ローカル店の雰囲気が漂うこぢんまりしたお店ですが、地域の方々に気持ちよくご利用いただけれるようスタッフ一同日々、運営しております。

 

弊社販売店事業の販路

  • 自社5店舗
  • オンラインチャネル
  • 卸販売
  • SNS
自社
5店舗
ホーチミン市ビンタン区
ホーチミン市7区
テイニン市(ベトナム南西部)
ベンチェー市(ベトナム南部)
バクリュウ市(ベトナム南部)
オンライン公式オンラインショップ
Shopee(メイン)
Shopee(サブ)
LAZADA
卸販売ホーチミン市内のスーパー、スパ店舗
SNSFacebook | @rokuhachimart
Tiktok | @rokuhachimart

 

弊社ができること

  1. 販売価格の順守
  2. 貴社商品毎の販売状況の共有

①販売価格の順守

メーカーや商社にとって、販売価格の管理は懸念点の一つだと思います。

中には、ベトナムでも平行品の他に偽造品が混じっているケースも散見します。

弊社では、卸先への販売価格の管理まで徹底しております。

 

②貴社商品の販売状況の共有

店舗を自社で運営しているので、お客様の生の声を貴社に直接届けることができます。

当然、日本人に合う商品とベトナム人に合う商品は異なります。卸専門で日本の商品を取り扱うベトナム商社はたくさんありますが、弊社であれば、お客様が購入するまでのキャッシュポイントまで自社内でハンドリングが可能です。

  • SALEの実施
  • テスト販売の実施
  • 店内でのイベント開催…など。

 

海外への販売が初めての方へ

海外への商品販路拡大は、一筋縄ではいかない事が多々あります。

例に漏れず弊社も日々問題にぶち当たっております。

全てとは言えかねますが、フォワーダー事業者 × 販売店事業者としての経験からお手伝いできる事があるかもしれません。

まずは情報収集がてら、お気軽にご連絡ください。

 

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