ベトナム貿易の基本|日本向けの輸出フローと物流の仕組みを解説
ベトナムから日本へ商品を輸出する際には、「商品の製造」や「販売」だけでなく、輸出手続きや必要書類の手配等、海外輸出の仕組みを理解しておく必要があります。
なぜなら、海外輸出は、1社だけで輸送が完結することはほとんどないからです。
「輸出者」、「物流会社」、「船会社」、「税関」など、複数の関係者が連携して貨物を輸送します。
初めて輸出業務を担当する場合、
- 「輸出の流れがわからない」
- 「物流会社とのやり取りが不安」
- 「どのタイミングで何を準備すればよいのか分からない」
といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
当記事では、ベトナムから日本へ商品を輸出する際の基本的な流れと、物流の仕組みについて初心者向けに解説します。
輸出実務の全体像を理解することで、貿易業務をスムーズに進めることができます。
【図解】ベトナムから日本への輸出基本フロー
ベトナムから日本への一般的な輸出フロー|海上便ベトナムから日本へ商品を輸出する場合、一般的には次のような流れで手続きが進みます。
- 商品の受注・商談
- 売買契約の締結
- 輸出書類の作成
- 物流会社(フォワーダー)へ依頼
- 輸出通関
- 国際輸送(海上・航空)
- 日本での輸入通関
- 商品納品
このように、輸出取引では「商取引」・「物流」・「通関」の3つが連携して進みます。
では、それぞれの工程を詳しく解説します。
ベトナム輸出の具体的な流れ
ここからは、ベトナムから日本へ商品を輸出する際の具体的な流れを、ステップごとに解説します。
①商品の受注・商談
①商品の受注・商談輸出取引は、日本のバイヤーから商品注文を受けるところから始まります。
この段階で、主に次の内容を決定します。
- 商品
- 数量
- 価格
- 納期
- 支払条件
また、輸送条件(インコタームズ)もこの段階で決めることが一般的です。
ベトナム輸出では、部品等の製品の輸出の場合、輸出者が船積みまでを手配する「FOB」や、運賃まで負担する「CFR/CIF」が一般的によく使われます。
②売買契約の締結
②売買契約の締結商談内容が合意されると、輸出者と輸入者の間で売買契約を締結します。
この契約内容は、通常次の書類で確認されます。
- Sales Confirmation(売約定確認書)
- Purchase Order(注文書)
売買契約は、輸出契約の条件を明文化した書類であり、取引条件の認識を双方で共有するために使用されます。
ベトナムから日本へ商品を輸出する際にも、取引条件を明確にする目的で作成されることが多く、貿易実務の初期段階で重要な役割を持つ書類の一つです。
③輸出書類の作成
③輸出書類の作成輸出取引では、様々な貿易書類を作成する必要があります。
代表的な書類は次の通りです。
| 書類 | 用途 |
| インボイス | 売買証明 |
| パッキングリスト | 梱包内容 |
| 船荷証券 | 輸送契約 |
| 原産地証明書 | 原産地証明 |
※詳細は、別記事「ベトナム輸出に必要な書類一覧」をご確認ください。
④フォワーダー(物流会社)へ輸送手配
④物流会社へ輸送手配輸出貨物の国際輸送は、通常、フォワーダーに依頼します。
フォワーダーは次の業務を担当します。
- 船会社の手配
- 航空貨物の予約
- 輸出通関サポート
- 書類作成サポート
初めて輸出する企業に限らず、社内に物流機能を持たない企業は、フォワーダーと連携して物流を進めることが一般的です。
⑤ベトナム輸出通関
⑤ベトナム輸出通関貨物を海外へ出荷するためには、ベトナム税関で輸出申告を行う必要があります。
輸出申告では、次の情報が申告されます。
- 商品名
- HSコード
- 数量
- 価格
- 輸出先国
問題がなければ、税関から輸出許可(Export Permit)が出されます。
⑥国際輸送(海上輸送・航空輸送)
⑥国際輸送(海上輸送・航空輸送)輸出通関が完了すると、貨物は日本へ輸送されます。
輸送方法には主に次の2種類があります。
| 輸送方法 | 特徴 |
| 海上輸送 | コストが安い |
| 航空輸送 | 輸送が速い |
一般的には、大量輸送の場合は海上輸送、小口貨物の場合は航空輸送が利用されます。
⑦日本側での輸入通関
⑦日本側での輸入通関貨物が日本に到着すると、日本の税関で輸入通関が行われます。
輸入通関では次の書類が提出されます。
- インボイス
- パッキングリスト
- B/L
- 原産地証明書
問題がなければ、貨物は国内流通が可能になります。
⑧国内配送・納品
⑧国内配送・納品輸入通関が完了すると、貨物は日本国内の配送業者によって最終目的地へ配送されます。
以上が、ベトナムから日本への基本的な輸出フローです。
ベトナム輸出物流の各実務者
国際物流では、1社だけで輸送が完結することはほとんどありません。
「輸出者」、「物流会社」、「船会社」、「税関」など、複数の関係者が連携して貨物を輸送します。
主な関係者は次の通りです。
| 関係者 | 役割 |
| 輸出者 | 商品出荷 |
| フォワーダー | 輸送手配 |
| 船会社 | 海上輸送 |
| 税関 | 通関管理 |
| 輸入者 | 商品受取 |
国際物流は多くの関係者が関わるため、必要書類とスケジュール管理が重要になります。
輸出者(Shipper)
輸出者(Shipper)輸出者とは、海外へ商品を販売し出荷する企業のことです。
今回のケースでは、ベトナム側の販売会社やメーカーが輸出者となります。
輸出者は、国際物流の起点となる重要な役割を担います。
主な業務は次の通りです。
商品の出荷準備
輸出者は、輸出する商品の準備を行います。
具体的には次のような作業が含まれます。
- 商品の製造または調達
- 品質確認
- 梱包作業
- パレット積み
国際輸送では長距離輸送になるため、輸送中の破損を防ぐための適切な梱包が重要になります。
輸出書類の作成
輸出取引では、さまざまな貿易書類が必要になります。
輸出者が作成する代表的な書類は次の通りです。
- Commercial Invoice(インボイス)
- Packing List(パッキングリスト)
- Sales Confirmation(売約定確認書)…等
これらの書類は、税関手続きや物流手配の際に使用されます。
※各書類の詳細は、別記事「ベトナム輸出に必要な書類一覧」をご覧ください。
物流会社への輸送依頼
輸出者は、物流会社(フォワーダー)へ国際輸送の手配を依頼します。
具体的には次のような情報を伝えます。
- 商品内容
- 梱包サイズ
- 重量
- 出荷
- 予定日
- 輸送方法(海上・航空)
これらの情報をもとに、フォワーダーが輸送スケジュールを調整します。
フォワーダー(Forwarder)
フォワーダー(Forwarder)フォワーダーとは、国際物流を手配する専門会社です。
輸出者の代わりに、貨物の輸送手配や通関サポートを行います。
国際物流において、フォワーダーは非常に重要な役割を担っています。
国際輸送の手配
フォワーダーは、船会社や航空会社と連携して輸送手配を行います。
主な業務は次の通りです。
- 船舶スペースの予約
- 航空貨物のブッキング
- 輸送スケジュールの調整
輸送ルートやスケジュールは、フォワーダーの提案によって決まることが多いです。
輸出通関サポート
フォワーダーは、輸出通関に必要な書類の確認や申告サポートを行います。
例えば次のような業務があります。
- 輸出申告データ作成
- HSコード確認
- 税関提出書類チェック
企業によっては、フォワーダーが通関業務を代行する場合もあります。
物流全体の管理
フォワーダーは、輸出から輸入までの物流スケジュールを管理します。
例えば次のような情報を管理します。
- 船の出航スケジュール
- 到着予定日
- 通関状況
そのため、輸出担当者はフォワーダーと密に連携しながら物流を進めることになります。
船会社・航空会社(Carrier)
船会社・航空会社(Carrier)船会社や航空会社は、実際に貨物を輸送する事業者です。
海上輸送の場合は船会社、航空輸送の場合は航空会社が貨物を運びます。
貨物の輸送
船会社や航空会社は、輸送手段を提供します。
主な輸送方法は次の2つです。
| 輸送方法 | 特徴 |
| 海上輸送 | コストが安く大量輸送に向いている |
| 航空輸送 | 輸送が速く緊急貨物に向いている |
多くの貿易取引では、コスト面から海上輸送が利用されるケースが一般的です。
輸送書類の発行
船会社やフォワーダーは、輸送書類を発行します。
代表的な書類は次の通りです。
- B/L(Bill of Lading)
- Air Waybill(AWB)
これらの書類は、貨物の受領証や輸送契約書として機能します。
税関(Customs)
税関(Customs)税関は、輸出入貨物を管理する政府機関です。
国際貿易では、すべての貨物が税関の管理下に置かれます。
輸出入の監督
税関は、違法な貨物や規制対象商品が輸出入されないよう監督しています。
例えば次のような確認を行います。
- 商品内容
- HSコード
- 価格
- 数量
これらの情報は、輸出申告書やインボイスをもとに確認されます。
関税・税金の管理
輸入貨物には、関税や消費税が課される場合があります。
税関は次のような税金の管理を行います。
- 関税
- 輸入消費税
- 各種税金
これらの税金が適切に支払われることで、貨物の輸入が許可されます。
輸入者(Consignee)
輸入者(Consignee)輸入者とは、海外から商品を購入し国内で販売する企業です。
今回のケースでは、日本側の企業や商社が輸入者になります。
輸入通関の手続き
輸入者は、日本側で輸入通関の手続きを行います。
主に次の書類を税関へ提出します。
- インボイス
- パッキングリスト
- B/L
- 原産地証明書
通常は、通関業者が手続きを代行します。
商品の受取と国内配送
輸入通関が完了すると、輸入者は貨物を引き取ることができます。
その後、商品は次のような場所へ配送されます。
- 倉庫
- 小売店舗
- 工場
- 物流センター
これで輸出取引の物流工程が完了します。
まとめ|ベトナム輸出は「物流フローの理解」と「連携」が重要
国際物流では、多くの関係者が関わるため、「貿易書類の正確な作成」や「輸送スケジュールの管理」等、各工程の連携が重要になります。
これらの流れを理解しておくことで、物流トラブルや通関遅延を防ぐことができ、取引をスムーズに進めることができます。
これから初めてベトナム輸出を行う場合は、物流会社や通関業者と連携しながら、確実に輸出作業を進めることをおすすめします。
ベトナム特有の注意点
旧正月(テト)期間の物流事情ついて
旧暦に基づいて、毎年1月下旬〜2月中旬頃の約1週間が旧正月(テト)で物流が止まります。
毎年、「12月(日本側の年末)」と、「1月」はコンテナ手配や船のスケジュールが混雑するため、早めのブッキングが必要です。
この時期は、ベトナムと日本のフォワーダーの連携(連絡)が遅れてしまうと、日本側でドレーの空きがなく、デマレージが発生することもあるので注意が必要です。
<ドレー(ドレージ)>
港のコンテナターミナル(CY)から倉庫や工場などの指定地まで、海上コンテナをコンテナのままトラックで陸上輸送する作業・手段。
<デマレージ>
輸入したコンテナがCYに到着後、船会社が定めた無料保管期間(Free Time)を超えて滞留した場合に発生する「超過保管料」。
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