ベトナム南部の工場団地一覧
ベトナム経済の中心地である南部エリアは、日系製造業が数多く集積する地域です。
ホーチミン市近郊のビンズン省やドンナイ省を中心に、数多くの工業団地が展開されていますが、各団地によってインフラの質や優遇税制、立地条件は大きく異なります。
当記事では、日系企業の進出先として特に人気の高い「ロンドゥック」や「VSIP」、「アマタ」をはじめ、抜群のアクセスを誇る「タントゥアン輸出加工区」、深海港に隣接する「フーミー3特別工業団地」など、主要な工業団地を網羅して解説します。
各団地の特徴や主な入居日系企業、さらに輸出加工企業(EPE)としてのメリットについても詳しくまとめました。
拠点設立の比較検討におけるガイドとして、ぜひ本データをご活用ください。
1.ホーチミン周辺エリア(ビンズン・ドンナイ)
| 工業団地名 | 開発会社 |
| ロンドゥック工業団地 Long Duc IP |
ロンドゥック工業団地(双日・大和ハウス) |
| アマタ・シティ・ビエンホア Amata City Bien Hoa |
タイ系大手「Amata Corporation」 |
| アマタ・シティ・ロンタン Amata City Long Thanh |
タイ系大手「Amata Corporation」 |
| VSIP 1 Vietnam Singapore IP |
VSIP Joint Venture Co., Ltd. |
| VSIP 2 Vietnam Singapore IP |
VSIP Joint Venture Co., Ltd. |
| タントゥアン輸出加工区 Tan Thuan IP |
Tan Thuan Corp (IPC & CT&D) |
| フーミー3特別工業団地 Phu My III Specialized Industrial Park |
Thanh Binh Phu My JSC |
2.ロンドゥック工業団地
「ロンドゥック工業団地」は、ベトナム南部のドンナイ省に位置する日系の工業団地です。
「双日」、「大和ハウス工業」、「神鋼環境ソリューション」が出資。
双日株式会社が主体となり、高品質なインフラ(電力、水、ガス、排水処理)を完備。日本人スタッフが常駐し、進出検討から工場稼働後まで一貫して支援する体制が確立されています。
2013年竣工で、入居企業の約85%が日系企業(41社中約35社)で構成され、安定したインフラ、日本人によるきめ細やかなサポート体制、レンタル工場が充実しているのが特徴です。
レンタル工場は、約500㎡からの小規模対応も可能。
また、日系物流会社による高床式・ドックレベラー付の高性能倉庫も利用可能です。
2-1.進出(投資)している主な日系企業
- TAKASHIMA METAL PRECISION VIETNAM CO.,LTD.|JIS 規格ネジ・切削・冷間圧造・熱間鍛造・プレス・フォーミングなどの金属加工品を製造・販売
- 矢崎EDSベトナム(Yazaki Eds Vietnam Co. Ltd)|自動車用ワイヤーハーネスの製造・販売
2-2.EPE
EPE(輸出加工企業)向けに、免税対象の専用区画を擁しています。
法人所得税や土地使用税の優遇、関税免除など、ベトナム政府の政策と連動した手厚い投資支援が特徴です。
| 公式Webサイト | ロンドゥック工業団地 |
| Google MAP | ロンドゥック工業団地 |
3.アマタ・シティ・ビエンホア
「アマタ・シティ・ビエンホア」は、1994年にタイ系大手「Amata Corporation」によって開発・運営される歴史ある工業団地です。
ベトナム南部ドンナイ省に位置し、約700ヘクタールの敷地に170社以上が入居しています。
- 約170社が入居
- うち日系企業は70社以上
- 同省内で最も日系企業の投資が多い工業団地
- カットライ港まで約30km
- ホーチミン市中心部から約30km|通勤時間片道40〜50分程
当工業団地があるドンナイ省ビエンホア市は、人口約120万人と、労働力の確保が比較的容易な点も特徴です。
3-1.進出(投資)している主な日系企業
日本企業の「電子」、「自動車部品」工場が多く投資しています。
- シオガイ精機ベトナム有限会社(Shiogaiseiki Vietnam Co.,Ltd.)
- サンコーモールドベトナム株式会社(SANKO MOLD VIETNAM CO.,LTD.)
- 福山合成ベトナム(Fukuyama Gosei Vietnam Co.,Ltd.)
3-2.EPE企業の入居
製品を主に輸出するEPE企業(輸出加工企業)も多く、優遇税制を背景に、「電機・電子部品」、「包装資材」、「製造業」などが集積しています。
| 公式Webサイト | アマタ・シティ・ビエンホア |
| Google MAP | アマタ・シティ・ビエンホア |
4.VSIP 1
「VISIP 1工業団地」は、1996年に設立されたビンズオン省にあるベトナム最大級の成功したモデル工業団地です。
ベトナムとシンガポールの合弁事業で、安定したインフラ、高い管理水準、優れた立地により、多くの外資・日系製造業が拠点を構えています。
- 土地利用率100%に達した非常に成功した工業団地で、日系企業を含む230社以上が入居
- 安定した電力供給(大規模発電所至近)、上下水道、通信環境が整備されている
- ホーチミン中心部やカットライ港へのアクセスが良く、インフラが安定している。
4-1.進出(投資)している主な日系企業
- ナステックベトナム(NASTEC VIET NAM JOINT STOCK COMPANY)
- アスザック ACM 株式会社(ASUZAC ACM Co., Ltd.)
- シーベスト 株式会社(SEEBEST CO.,LTD.)
4-2.EPE企業の入居
EPE(輸出加工企業)として入居すると、原材料輸入や製品輸出の関税免除・VAT優遇が受けられ、保税工場として製造・輸出をメインにする企業に最適です。
| 公式Webサイト | VSIP 1 – Binh Duong |
| Google MAP | VSIP 1 – Binh Duong |
5.VSIP 2
「VISIP 2工業団地」は、ビンズオン省にある2,000ヘクタール超の広大な近代的な工業団地です。
ベトナム・シンガポールの合弁事業で、日系企業を含む多くの製造業が投資しており、高いインフラ品質と日系企業対応のサポート体制が特徴です。
同工業団地は、ベトナムでの工場設立を検討する製造業にとって、特にインフラとサポートの質を重視する企業に適した選択肢です。
5-1.進出(投資)している主な日系企業
- オムロン ヘルスケア マニュファクチュアリング ベトナム(Omron Healthcare Manufacturing Vietnam Co., Ltd)
- ユウワベトナム(YUWA VIETNAM CO.,LTD.)
- TPR ベトナム(TPR Vietnam Co.,Ltd.)
5-2.EPE企業の入居
EPE(輸出加工企業)として進出することで、原材料の輸入関税・VAT免除、法人税優遇を受けられます。
精密部品や家電などの製造業に適しており、輸出主体であればメリットが最大化されます。
| 公式Webサイト | VSIP 2 – Binh Duong |
| Google MAP | VSIP 2 – Binh Duong |
6.タントゥアン輸出加工区
ホーチミン市中心部から車で約15分という絶好のロケーションに位置する「タントゥアン輸出加工区(TTZ)」。
1991年に設立されたベトナム初の輸出加工区であり、その圧倒的な利便性と充実したインフラから、今なお日系企業にとって極めて重要な製造・物流拠点となっています。
6-1.輸出加工区(EPZ)とは?
「輸出加工区(Export Processing Zone)」とは、製造された製品の100%(または大部分)を国外へ輸出することを目的とした企業が集まる、特別な保税エリアのことです。
6-1-1.基本情報
「タントゥアン輸出加工区」は、台湾資本のCT&Dグループとホーチミン市直轄のIPCによる合弁会社「タントゥアン工業推進社(TTC)」によって開発されました。
総面積は約300ヘクタールにおよび、サイゴン港やタンソンニャット国際空港へのアクセスも良好です。
6-1-2.特徴
最大のメリットは、エリア全体が「関税の境界線」の外側として扱われる点です。
原材料の輸入関税や製品輸出時の関税が免除されるほか、法人税の優遇措置も適用されます。
また、区内に専用の税関事務所や郵便局、銀行、ワンストップの行政サービス窓口が完備されており、煩雑な手続きを迅速に処理できる体制が整っています。
6-1-3.入居に向いている企業
- 輸出特化型メーカー|原材料を輸入し、加工して全量を海外へ送り出すビジネスモデルの企業。
- 物流コストを抑えたい企業|ホーチミン市内・港に近い立地を活かし、リードタイムを短縮したい企業。
- 高度な人材を求める企業|市中心部に近いため、周辺から優秀なワーカーやエンジニアを確保しやすい環境にあります。
6-2.進出(投資)している主な日系企業
同輸出加工区は、その管理体制の質の高さから、古くより多くの日本を代表するメーカーが拠点を構えています。
- ルネサス エレクトロニクス(Renesas Design Vietnam)|半導体設計・開発の主要拠点。
- 古河電気工業(Furukawa Automotive Parts Vietnam)|自動車用ワイヤーハーネスの製造。
- マブチモーター(Mabuchi Motor Vietnam)|小型モーターの世界シェアを支える製造拠点。
- 中越パルプ工業(Chuetsu Pulpi Vietnam)|紙加工製品の製造。
- 不二製油(Fuji Oil Vietnam)|製菓用油脂・チョコレート等の食品製造。
このように、精密機器から自動車部品、食品加工に至るまで、幅広い分野の日系企業が長年にわたり安定した操業を続けています。
6-3.EPE企業(輸出加工企業)について
同輸出加工区に入居する企業の多くは、EPE(Export Processing Enterprise)としてのステータスを保持しています。
EPE企業として認められると、ベトナム国内の一般的な企業(Non-EPE)とは異なる税制上の「みなし国外」扱いとなります。
具体的には、輸入原材料に対する付加価値税(VAT)や関税がゼロになるため、キャッシュフローの改善に大きく寄与します。
ただし、EPE企業は「フェンスや壁による物理的な境界の設置」や「24時間の監視体制(カメラ設置等)」など、保税管理に関する厳格な基準を満たす必要があります。
同工業団地では、こうしたEPE特有の要件をクリアするためのインフラが標準装備されており、初めてベトナムに進出する企業にとっても、EPEステータスでの操業を開始しやすい環境が整っています。
| 公式Webサイト | タントゥアン輸出加工区 |
| Google MAP | タントゥアン輸出加工区 |
7.フーミー3特別工業団地
バリア=ブンタウ省に位置する「フーミー3特別工業団地(Phu My III Specialized Industrial Park)」は、ベトナム国内で唯一、両国政府から「特別工業団地」として認定を受けた戦略的拠点です。
カイメップ・チーバイ深海港からわずか数キロという抜群の立地に加え、重工業から化学、一般製造業まで幅広く受け入れるインフラの強靭さが最大の特徴です。
また、ベトナム南部で進む高速道路網の整備や、ロンタイン国際空港の建設など、物流面でのポテンシャルは他を圧倒しています。
特に、安定した電力供給や、工業団地内に設置された税関事務所、24時間体制のサポート体制など、日系企業の要求水準を満たす高付加価値なサービスが提供されており、ベトナム進出の最有力候補として常に名前が挙がる工業団地です。
7-1.進出(投資)している主な日系企業
「フーミー3特別工業団地」は、その高いインフラ水準から、特に大規模な設備投資を必要とする日系大手企業の進出が目立ちます。
- 旭化成(Asahi Kasei)|産業用資材の生産拠点
- 三菱商事(Mitsubishi Corporation)|インフラ開発やガス関連プロジェクトなど、多角的関与
- 三井物産(Mitsui & Co.)|物流や化学品関連のサプライチェーン構築
- 京セラ(Kyocera)|高度な製造技術を要する生産ラインの構築
これらの企業は、深海港に近い利点を活かした「原材料の輸入〜製品の輸出」というグローバルなサプライチェーンを構築しており、PM3が単なる製造拠点ではなく、物流のハブとして機能していることを証明しています。
7-2.EPE企業の入居
同工業団地では、輸出加工企業(EPE: Export Processing Enterprise)としての投資登録が可能です。
EPEステータスを取得することで、原材料や設備の輸入に関わる関税、および付加価値税(VAT)の免税措置を受けることができます。
保税エリアとしての管理体制が整っているため、輸出特化型の製造業にとって、キャッシュフローの最適化とコスト競争力の向上を図る上で極めて有利な環境です。
特に、日系企業の間では、このEPE制度を最大限に活用し、日本や第三国への輸出拠点として同工業団地を選択するケースが非常に多く見られます。
現地の税関当局との連携もスムーズであり、実務面でのストレスが少ない点も、多くの日系企業に選ばれる理由の一つとなっています。
| 公式Webサイト | フーミー3特別工業団地 |
| Google MAP | フーミー3特別工業団地 |
8.さいごに|自社のビジネスモデルに最適な工業団地選びを
ベトナム南部エリアは、日系企業の集積地であるビンズン・ドンナイ省を中心に、それぞれ異なる強みを持つ工業団地が点在しています。
- 日系ならではの手厚いサポートを求めるなら「ロンドゥック」
- 豊富な労働力と実績を重視するなら「アマタ」や「VSIP」
- 都市部へのアクセスと優秀な人材確保なら「タントゥアン」
- 大型船舶を利用した重工業・物流なら「フーミー3」
このように、立地・インフラ・優遇税制(EPE制度)の有無など、自社の製造品目や輸出戦略に合わせた多角的な視点での比較が欠かせません。
ベトナムでの事業成功の第一歩は、現地の最新情報を把握し、最適な拠点を選ぶことから始まります。
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