日本からフランスへウイスキー100ケース(1,200本)を送った場合の、1本あたりの着地コストを概算してみる。
当記事では、別記事「日本からフランスへの海上輸送コストをシミュレーションしてみる。」の内容により踏み込んで、「中価格帯の日本産ウイスキーを、100ケースLCLで送った場合の1本あたりの着地コスト」を、関税や酒税を含めて概算してみます。(*あくまでも概算です。)
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コスト概算を行う上での前提条件
| 項目 | 情報 |
| 商品(1SKUのみ) | 日本産ウイスキー(JSLMA基準 100%準拠) |
| 商品詳細 | 700mlボトル、アルコール度数 43% |
| 原産国 | 日本(蒸留・熟成・ボトリングの全工程を国内で実施) |
| 商品総数 | 1,200本 |
| ケース数 | 100ケース |
| 入り数 | 12本入り/ケース |
| 商品原価/本 | 3,500円(*) |
| HSコード | 2208.30(ウィスキー類) |
| 輸送方法 | LCL(混載便) |
| 積揚港(POL) | 大阪港 |
| 荷揚港(POD) | ル・アーヴル港 |
| 貿易条件 | FOB |
| 為替レート | 1ユーロ = 165円 / 1ドル = 150円 |
(*): 中価格帯の日本産ウィスキーを想定。
コスト内訳表
| 項目 | 合計 | 1本あたりのコスト | 備考 |
| 商品原価 | ¥4,200,000 | ¥3,500 | 日本国内調達・港搬入価格(= 約€18.94) |
| 海上運賃・保険・諸手続 | ¥120,000 | ¥100 | LCL運賃, 保険, 輸出通関等 |
| 関税 | ¥0 | ¥0 | 日EU・EPA適用により免税 |
| 酒税(*) | ¥1,155,542 | ¥963 | €1,932.42/hlpa |
| 社会保障貢献税(CSS) | ¥1,161,435 | ¥968 | €589.46/hlpa |
| フランス国内経費 | ¥60,000 | ¥50 | 輸入通関手数料, 国内配送等 |
| 着地原価(VAT抜き) | ¥6,696,977 | ¥5,581 | (= 約€30.20) |
| 付加価値税(VAT) | ¥1,339,395 | ¥1,116 | フランス標準税率 20% |
| 最終着地コスト | ¥8,036,372 | ¥6,697 | (= 約€36.24) |
(*): 2026年税率
コスト構造の分析
税金がコストの約4割を占める
フランスでは、2026年より蒸留酒の酒税(Excise Duty)が引き上げられ、100%純アルコール1ヘクトリットル(hl)あたり€1,932.42となりました。
上表の通り、1本当たり約1,100円(酒税[996円]+社会保障税[108円])が、自動的に加算される計算です。
「日EU・EPA」の活用は必須
日EU・EPAの原産地規則に照らし合わせて、原産地規則を満たせば、関税優遇(または無税)対象となり関税を0%に抑えることができます。
一方、原産地証明を正しく行わない場合、通常4.5%〜の関税がかかってしうので注意が必要です。
原産地証明書: (C/O: Certificate of Origin)
現地販売価格の目安
1本あたりの着地コストが約6,697円(約€36.24)となる場合、現地の輸入商社マージンと小売店マージン(計40〜55%程度)が乗り、店頭価格は、€50 〜 €70程度になると予想できます。
これはフランス市場における「(プレミアム)ジャパニーズ・ウィスキー」のボリュームゾーンと一致しており、ビジネスとして成立する数字と言えます。

