販売店

いくらが妥当?|ベトナムで販売する日本化粧品の価格設定について考えてみる。

物流事業が弊社の主軸事業ですが、2023年12月より販売事業を開始しました。

同事業立ち上げから2年弱。

若輩者ながら、ベトナムで販売する日本化粧品の市場価格の設定方法について、暫定的な着地点を述べてみます。

筆者📝:
物流業を主軸とするベトナムの現地企業に所属。当社新事業として日本の化粧品をメインに取扱う販売店事業を2023年に開始。

ベトナム国内で、
・自社5店舗運営中
・オンラインショップ運営中
・卸販売中

オンラインショップ
公式: [ROKUHACHI MART – ロクハチマート]
Shopee: [@rokuhachimart]

 

目次
  1. まず、現状の市場価格の相場はどうなってるの?
  2. 暫定結論|当事業立ち上げから2年弱時点の着地点とは?
  3. 価格設定の方法を調べると、様々な方法・切り口がある。
  4. ベトナム|消費者の立場から販売価格を考えてみる
  5. ベトナム|小売店の立場から販売価格を考えてみる
  6. ベトナム|卸(弊社)の立場から販売価格を考えてみる
  7. 日本|商社の立場から販売価格を考えてみる
  8. 日本|メーカーの立場から販売価格を考えてみる
  9. さいごに

まず、現状の市場価格の相場はどうなってるの?

AEON MALL TÂN PHÚ

当記事では、ベトナム国内で認知度が高い「麗白ハトムギボディソープ(800ml)」を例に市場価格の相場を見てみます。

地域 日本国内 ベトナム国内
画像
JAN CODE 4513574027077
商品名 麗白ハトムギボディソープ
販売店 店舗、オンラインショップ、SNS
市価(円) 648円 496〜800円
市価(ドン) 118,000ドン 90,000〜145,000ドン
値崩れ 無し 有り

1JPY(日本円¥) = 180VND(ベトナムドン₫)

日本の市場価格からおよそ1.2〜1.5倍くらいでしょうか。

値崩れの原因

既存で認知度の高い商品は、どうしても値崩れが起きています。

主な原因は、該当商品を取り扱うベトナム国内の販売店数が多いことに加え、個人による並行輸入(ハンドキャリー)が多発しているためです。

 

関連記事「ベトナムへ化粧品を正規販売する前に知っておきたい大まかな流れ

関連記事「ベトナムでの化粧品販売に必要な化粧品開示手続きを解説

 

暫定結論|当事業立ち上げから2年弱時点の着地点とは?

市場価格の設定

ベトナムでの市場価格を日本の市場価格の??倍程度と設定する。

現状の倍率は、日本の市場価格のおよそ1.2〜1.5倍程度です。

各キャッシュポイントへの提示価格

市場価格を設定後、各買い手の利益を軸に卸価格を計算。

※弊社は卸業者なので、小売店様が消費者から得る利益額をシュミレーションしています。

 

価格設定の方法を調べると、様々な方法・切り口がある。

原価を軸に考慮した価格設定】

  1. 原価(仕入価格)に利益を加える「コストプラス価格設定方式」
  2. 投入した原価に一定の利益を加える「マークアップ価格設定方式」
  3. 原価(仕入価格) ÷ (1-予定利益率)の計算式で販売価格を決定する

需要を軸に考慮した価格設定】

  1. 最初に売れる価格を認識して原価を合わせていく「知覚価値価格設定方式」
  2. 需要に差がある市場ごとに価格を設定する「需要差別価格設定方式」

 

他にも、オンラインショップでの販路をメインに運営している会社は、利益額より利益に重きを置かれるケースもあります。

 

ここからは、消費者から見た商流を沿って、現時点での筆者の暫定結論をベースに販売価格について考えていきます。

 

ベトナム|消費者の立場から販売価格を考えてみる

考慮① 行動
考慮② 購入場所

考慮①|行動

  • 店舗の比較
  • 購入するタイミングを検討
  • 購入
  • 口コミ

正規品をできるだけ安い価格で購入したい

考慮②|購入場所

  • 店舗
  • オンラインショップ
  • SNS

 

ベトナム|小売店の立場から販売価格を考えてみる

地場ローカル店舗の場合

考慮① 販路
考慮② 自社のキャッシュポイント
考慮③ 買い手のキャッシュポイント
考慮④ 在庫(数・金額・期間)
考慮⑤ 仕入れのタイミング

考慮①|販路は主に3つ

  • お店
  • オンラインショップ
  • SNS

考慮②|自社のキャッシュポイントは消費者への販売

消費者が商品を購入したとき

考慮③|買い手(卸)のキャッシュポイント

商品を購入したとき

考慮④|在庫(数・金額・期間)

小型〜中型のローカルショップは、お店のキャッシュフローにもよりますが、一度の大量仕入れではなく、少量を月に数回注文されるケースが多い。

考慮⑤|仕入れのタイミング

こちらも、在庫やSALEイベントなどバランスを見ながらの注文が多い。

小売店が考える販売価格とは?

 

地場大手スーパーの場合

考慮① 販路
考慮② 自社のキャッシュポイント
考慮③ 買い手のキャッシュポイント
考慮④ 在庫(数・金額・期間)
考慮⑤ 仕入れのタイミング
考慮⑥ 取引条件

考慮①|販路は主に2つ

  • お店
  • オンラインショップ

SNSを駆使してマーケティングを行なっている大手スーパーは聞いたことがありません。

考慮②|自社のキャッシュポイントは消費者への販売

  • 消費者が商品を購入したとき
  • 卸から支払われるリスティング料など(*1)

(*1)会社によって契約条件は異なります。

成長過程につき未攻略ですが、「Winmart」・「Co.op Mart」への卸販売開始に向けて尽力しています。

考慮③|買い手(卸)のキャッシュポイント

商品を仕入れたとき(支払いサイト 有)

考慮④|在庫(数・金額・期間)

攻略できれば、随時更新(予定)

考慮⑤|仕入れのタイミング

攻略できれば、随時更新(予定)

考慮⑥|取引条件

ここでは掲載を控える

小売店が考える販売価格とは?

 

日系スーパー・ドラックストアの場合

考慮① 販路
考慮② 自社のキャッシュポイント
考慮③ 買い手のキャッシュポイント
考慮④ 在庫(数・金額・期間)
考慮⑤ 仕入れのタイミング
考慮⑥ 取引条件

考慮①|販路は主に2つ

  • お店
  • オンラインショップ

考慮②|自社のキャッシュポイントは消費者への販売

  • 消費者が商品を購入したとき
  • 卸から支払われるリスティング料など

考慮③|買い手(卸)のキャッシュポイント

商品を仕入れたとき(支払いサイト 有)

考慮④|在庫(数・金額・期間)

攻略できれば、随時更新(予定)

考慮⑤|仕入れのタイミング

攻略できれば、随時更新(予定)

考慮⑥|取引条件

ここでは掲載を控える

小売店が考える販売価格とは?

 

ベトナム|卸(弊社)の立場から販売価格を考えてみる

考慮① 販路
考慮② 自社のキャッシュポイント
考慮③ 買い手のキャッシュポイント
考慮④ 在庫(数・金額・期間)
考慮⑤ 仕入れのタイミング

弊社の場合、小売店への卸販売だけでなく自社小売店舗とオンライン販売も運営しています。

考慮①|販路は主に4つ

  • 自社店舗
  • オンラインショップ
  • SNS

考慮②|自社のキャッシュポイントは主に2つ

  • 消費者が商品を購入したとき
  • 小売店が商品を仕入れたとき

考慮③|買い手(日本商社)のキャッシュポイント

商品を日本商社から仕入れたとき

考慮④|在庫(数・金額・期間)

依然、自社チャネルの販売能力が乏しく(=キャッシュフローが良くない)、仕入れは、卸分に抱き合わせてオーダーを組んでいます。

弊社、物流業を主軸としているため、コンソリデーションを採用して化粧品だけでなく日用品など他社から購入する他商品(複数貨物)をまとめて輸入したりしています。

考慮⑤|仕入れのタイミング

  • 卸先様用の在庫の確保
  • 自社チャネル用の在庫
  • SALE用などの該当商品の大量仕入れ

上記3項目と日本商社様との取り決めを鑑みながらオーダーを組んでいます。

先述した通り、自社チャネルが基盤確立段階にあるため大胆な仕入れに踏み込めず、毎オーダーごとに日本商社のご担当者様にはお助けいただいています。

弊社が考える市場価格とは?

 

日本|商社の立場から販売価格を考えてみる

考慮① 販路
考慮② 自社のキャッシュポイント
考慮③ 買い手のキャッシュポイント
考慮④ 在庫(数・金額・期間)
考慮⑤ 仕入れのタイミング

考慮①|販路は主に3つ

  • ベトナムの卸
  • ベトナムの販売代理店(ベトナム市場では稀..?)
  • 日本の(2次)卸

考慮②|自社のキャッシュポイント

卸が商品を仕入れたとき

考慮③|買い手(メーカー)のキャッシュポイント

メーカーから商品を仕入れたとき

※考慮④|在庫(数・金額・期間)、考慮⑤|仕入れのタイミングについては、無記載。商社の立場からすると大きなお世話ですよね。

商社が考えるベトナム市場での販売価格とは?

 

日本|メーカーの立場から販売価格を考えてみる

正直、ここは当ブログに記載できるほどの情報を把握しておりませんし、メーカーの立場からすると大きなお世話ですよね。

海外での販売価格についてどんな考えや意見をお持ちだろうか..。

 

筆者の個人的見解ですが、本来はメーカーがどんな想いや目的を持って商品を製造したのかを正確に把握しなければ、ターゲットとなるお客様像へのアプローチが間違ったものになってしまうと考えます。

仮に売上がたったとしても、狙ったお客様でなければ長期的に成績を上げ続けることは難しくなるでしょう。

もちろん、有難いことに商社からご提案いただく商品の説明はご担当者様に加え、タイミングが合えばメーカーの担当者様から直接伺えるケースもあります。

そうして得た各商品の魅力を、商品に適したお客様へ正しくアプローチするには、商品理解に加え、言語の壁を超えてローカライズする必要もあります。

ベトナム人の消費文化にあったアプローチへと昇華して、お客様に手に取っていただける機会を高めていきたいところです。

その結果、ベトナム国内市場における日本の化粧品の存在感を高める一助になれば販売事業冥利に尽きます。(解像度の低い思考しか出でこない..滝汗)

弊社の海外取引の概要図紺色: 弊社がハンドリングできる範囲

 

さいごに

以上、長々とそれぞれの立場から、ベトナム市場での日本の化粧品販売価格について考えてみましたが、なんとも歯切れの悪い終わり方になりました。

あくまでも販売店事業を始めて2年目の筆者の備忘録です。

今後、当記事の解像度を高く更新していけるよう取り組んでいければと思います。

最後にメーカー様、日系商社様、ベトナム国内の販売店様、また稚拙な記事をここまでご覧いただいたあなたからのご指摘・ご意見をお待ちしています!

 

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