2022年9月に始動した弊社の「化粧品販売店事業」。

ベトナム現地法人で「唯一の外国人」という立場から、なぜ数ある選択肢の中で「日本の化粧品流通」を新規事業に選んだのでしょうか。

当記事では、今更ながら、当事業立ち上げの背景と、商材選定に至るまでの経緯を振り返ります。

この記事を書いている人

ホーチミン市在住|7年目
所属法人|ベトナム企業
立ち位置|同社唯一の外国人
専門領域|物流、化粧品・日雑品の流通

当Webブログ運営者のプロフィール

[弊社情報]
<物流業>
ベトナムに工場を持つ日系企業様の輸出入や国内輸送をサポートしています。

私が所属する法人の公式サイト

<販売業>
日本の化粧品をメインで取り扱う実店舗・自社オンラインショップの運営並びに、小売店様への卸販売を展開しています。

公式EC: [ROKUHACHI MART]
Shopee: [@rokuhachimart]

所属法人の方針

私が所属するベトナム法人では、事業内容を問わず新規事業に果敢に挑戦する方針をとっており、かくいう私もその方針に沿う形でいくつかの事業提案をしていました。

  • 全く弊社事業と関連性のない「新たな領域の事業」の立ち上げる
  • 弊社の「主軸事業である物流業との関連性が高い事業」を立ち上げる
  • 私の「経験を活かせる領域の事業」の立ち上げる

上記、それぞれ数案ずつ事業を提案した中の一つが、「日本の化粧品を取り扱う販売店事業」でした。

今思い返しても、確かに、

  1. 弊社既存の物流機能
  2. ベトナム国内に使用できる土地・物件有り
  3. 弊社従業員の中で唯一の外国人

と、上記、弊社の既存3つの要素から、日本の商品を取り扱う販売店業を立ち上げることが、取りかかりやすく且つ、私自身の存在価値を社内外へ提供できると考えていました。

ベトナム市場における弊社機能を表す概要図紺色枠: 商品流通において、弊社が一気通貫でハンドリングできる範囲

ベトナムの他社(販売店事業者)は、社内に物流機能まで備えている企業がほとんど存在しません。

つまり私が、ベトナムで需要のある商品を好条件かつ安定的に日本から仕入れることができれば、「コスト最小化」・「仕入れの最適化」した上で、仕入れから国内のキャッシュポイントまでの全工程を社内でコントロールできます。これはビジネス構造的に大きな強みと言えるでしょう。

 

なぜ、取扱商品に「化粧品」を選んだのか?

取扱商品の選択ですが、「日用品」、「化粧品」、「医薬品」、「飲食料品」、「家電」など、ベトナム市場で一定数の消費規模を見込めるものから検討しました。

商品カテゴリー 輸入後の消費(賞味)期限 ライセンス取得
日用品 明確な期限無し 不要
化粧品 製造日から3年
輸入時点で2年〜2年半ほど
必要
医薬品 製造日から3年 必要
飲食料品 輸入時点で〜11ヶ月間ほど 必要
家電 耐用年数を参考 商品によって異なる

飲食料品(アルコール類以外)

新規事業に「化粧品・日用品販売」を選んだ理由とは?ベトナム国内の商社から、弊社実店舗用の商品を仕入れ

ゼロから販路を開拓する私たちにとって、初めから、ベトナム輸入時に賞味期限が12ヶ月を切る「飲食料品」に取り掛かることは、リスキーでした。

賞味期限的観点:

ベトナムへ輸入した時点で残り11ヶ月ほど。最低でも賞味期限3ヶ月前から割引販売するとなれば、 市場価格で販売できる期間は約8ヶ月間。

販路的観点:

卸販売先があれば、キャッシュフローが生まれるが、当時の弊社の場合は未開拓。混載便(LCL)でなければ、直近の仕入れは不可能に等しい。

 

複数の日系商社からお見積もりをいただきましたが、全社、最小ロットが「コンテナ(FCL)1本分」の物量での取引が最低条件でした。

販売先を持ち合わせていない弊社が取り扱うには手に負えないと品目だと判断しました。

そのため、自社運営店では、必要分だけベトナムの既存商社から調達することにしました。

日用品

新規事業に「化粧品・日用品販売」を選んだ理由とは?日本の商社から仕入れ

「日用品」は、検討した品目の中で最もトライしやすく低コスト大量仕入れができることから、弊社も取り扱うとこにしました。

ほとんどの日用品は、「商品登録」等の事前申請手続き義務がなく、ベトナムの販売店事業者にとって参入(輸入)しやすいです。(調理刃物等、一部商品を除く。)

ベトナム法人に所属する私が、「日本の化粧品流通」を新規事業として選択した理由とは?

そのため、競合が多く、当新規事業の主要品目にはなり得ないことを想定しつつ、需要を見込める商品だけに絞って流通することにしました。

医薬品

「医薬品」は、「飲食料品」や「化粧品」と比べて、難易度が跳ね上がります。

ベトナム保健省医薬品管理局に「薬事登録申請」を行う義務がありますが、日本側の必要書類の準備など申請に要する期間が年単位で掛かってしまうなど、「流通させてベトナム人の暮らしのお役に立つ」までの整備が整っていません。

また、ベトナムの販売事業者にとっても、「日本の医薬品メーカー」・「お取り扱い商社」との直接交渉・お取引のハードルは、「化粧品メーカー」・「お取り扱い商社」との関係構築難易度と比べ、間違いなく高いです。

ベトナム国内の日本の医薬品に対するニーズは高いですが、他品目のように、当たり前のようにドラッグストアに並ぶまでは時間を要すると思います。

化粧品

弊社販売店事業_卸販売地場スーパーへの商品流通

「化粧品」は、ベトナムの成長市場として需要が年々拡大しているため、良い仕入れ先が見つかれば、事業として運営・今後拡大していくための基盤品目となり得る妥当性があると判断しました。

化粧品の仕入れ|20ft FCL

確かに、商品を輸入する前に、ベトナム保健省医薬品管理局へ「化粧品開示手続き」申請や「PIF(製品情報ファイル)」の作成・保管する必要があったり、輸入後は、「流通させる商品へ裏面ラベルの貼り付け」、「頻繁に起こる政令・規則の改定への対応」など、一筋縄ではいかないものの、2022年9月当時行った市場調査(*)の結果、参入余地があると判断しました。

現在も、当時の判断は間違っていなかったと思っています。

当時行った市場調査(*)

  • 流通している日本の化粧品(価格帯、バラエティ、販売チャネル)
  • 化粧品を流通させている企業の分析
  • 流通ルート(直接投資・販売店・EC販売・並行輸入経由込み)の把握..など。

また、当事業をはじめる前のコロナ禍に、「ベンチェ省(現ヴィンロン市)」や「バクリュウ市(現カマウ市)」などの田舎で生活してるベトナム人から、日本の化粧品の需要と実情をよく耳にしていたことも、当新規事業が検討で終わらず、実際に始動した要因のひとつでしょう。

地方に住むベトナム人の日本の化粧品に対するニーズ

地方の方々も、日本の化粧品へのニーズは確かにあります。

彼ら彼女らの自宅へ招かれることも多々あり、洗面台には日本製の化粧品(スキンケア商品)が置いてあることも多いです。(例えば、「角質つるつる…ピーリングジェル」とか)

購入場所は、その都市に一店舗だけある「大型スーパーの化粧品売り場」か、「オンラインショップ(Shopeeがメイン)」、「Facebook広告」が一般的です。

コンビニエンスストアや日系スーパーはありません。

都市部に住むベトナム人なら、オンラインで見つけた気になる商品を、お店で実物を確認した上で購入を検討できますが、地方ではそうはいきません。

従って、オンラインショップ・SNS上で、誇張広告された第三国生産の日本風製品価格が安いアカウントから偽造品を掴まされるケースもあります。

「お前(私)が日本から直接輸入してくれたら、お店を出してくれたら絶対買うから」って学生時代の告白よりも確証性のない言葉ですが、実際にお店を出して感謝されると、素直に嬉しいものです。(嬉しいだけで、売上にはほとんど繋がりません。)

ーーー

というわけで、ベトナムの化粧品市場に関する数字を用いた市場の統計データをまとめ、事業プランを練り上げたわけでもなく、私の周りにいるベトナム人の感覚値と私が会社内外へ提供できる価値を頼りに、「とりあえず可能性がありそうな商品カテゴリーの流通から始めてみる」といった具合に立ち上がりました。

化粧品市場に限らずですが、もしあなたが今まさに、ベトナムへの進出・初取引を控えながら情報収集を行なっているのであれば、一度やってみると良いです。

いろんなものを削られますが、削られた分の10分の1くらいは身になると思います。

 

まとめ

「ビジネスライセンスの追加取得(投資登録証明書[IRC]の変更)」や「仕入れ商品の支払い手続き」など、代表しかできない事業をのぞいた実務は、基本全て私一人で対応していました。

  • 日本側の仕入れ先の開拓・業務提携
  • 仕入れ
  • ベトナム国内での各種申請手続き
  • 裏面ラベルテンプレート作成
  • 販路開拓・展開
  • 自社店舗オープン(棚設置から)
  • 公式オンラインショップの開設
  • Shopeeの開設
  • 日系企業様の視察アテンド
  • 卸先開拓…など。

自社スタッフに助けてもらいながら一通り自身で行なっています。

今振り返ると、「ゼロ」の状態から自身で道筋を立てて、全ての実務を積み上げてきた経験は、現在の事業運営における大きな財産となっています。

事業が稼動し出してまもなく、専属経理と他3名のスタッフを雇用し、現在は4名を含めた全6名体制で事業を運営しています。

当記事で触れた化粧品流通の具体的なプロセスや、実務に役立つロードマップ・完全ガイド(PDF)も公開しています。

これからベトナムでの化粧品展開を検討される方は、ぜひ併せてチェックしてみてください。

 

立ち上げ〜運営までのロードマップ

①「視覚的」にベトナムへの化粧品輸出・流通について捉えたい方へ

ロードマップ_ベトナム市場に日本の化粧品を流通させるまでのロードマップ

瞬間的に視覚的に確認したい方は、「ロードマップ|ベトナム市場に化粧品を流通させるまで(PDF)」をご覧ください。

まずは全体像を知りたい方におすすめです。

②ベトナムへの化粧品輸出・流通について「文章」で詳しく知りたい方へ

ベトナムで化粧品販売を行っています。各工程を文章(記事)で詳しく読みたい方は、「化粧品輸出・流通実務ガイド」をご覧ください。

実務の細かい手順が必要な方におすすめです。

4つの工程に分けて、各工程ごとに記事で解説しています。

  • ベトナムの化粧品市場
  • 仕入れ〜商品輸入まで
  • 商品輸入〜販売準備まで
  • 販売〜

③ベトナムへの化粧品輸出・流通について「資料(PDF)」で確認したい方へ

ホワイトペーパー「2026年度版|はじめてのベトナム輸出・化粧品流通完全ガイド」2026年度版|はじめてのベトナム輸出・化粧品流通完全ガイド

「ベトナムの化粧品市場について網羅的にまとめた資料」が必要な方は、「2026年度版|はじめてのベトナム輸出・化粧品流通完全ガイド(*PDF)」をご覧ください。

(*)当書について:

ダウンロードされるにあたって、貴社の情報等は一切いただきません

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お悩み相談窓口
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以下が得意領域です

  • 市場の現実的な可能性|貴社商品のカテゴリーにおける競合・価格帯・消費者動向の概況
  • 最適な流通チャネルの選定|小売、卸、EC、越境ECなど、貴社のリソースに合わせたルート提案
  • 許認可・規制の全体像|化粧品等の輸出に必要な書類やプロセスの実務的な整理
  • 物流・コストの可視化|輸送費、関税、保管、配送までのフローと想定コストの概算
  • リスクの優先順位付け|初取引でハマりやすい罠を回避するための具体的アクション・失敗事例

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