日本からフランスへの海上輸送コストをシミュレーションしてみます。

貨物は、日本産ウイスキー(ガラス瓶/カートン梱包)で、日本の主要港からフランス(ル・アーヴル港、マルセイユ港)への海上輸送コストについて、昨今の市場動向(紅海情勢による迂回ルートの常態化)を踏まえて作成しています。

FCL輸送(20フィート・コンテナ1本単位)

ある程度まとまった数量(約800〜1,200ケース以上)を一度に送る場合に最適です。

FCL: Full Container Load
項目 金額(目安) 備考
海上運賃 $1,800 〜 $2,800 20ftコンテナ1本(日本主要港→仏主要港)
各種サーチャージ $400 〜 $700 燃料費調整。迂回ルートによる割増含む。
日本側諸費用 $650 〜 $950 港湾搬入、書類作成、積み込み費用
フランス側諸費用 $450 〜 $700 到着港での荷揚げ、書類費用
合計概算 約$3,300 〜 $5,150 約52万 〜 81万円

あくまでも概算の片道費用です。
より詳細なお見積りが必要な方はご連絡ください。

ウィスキーは重量物であるため、20フィートコンテナでも重量制限に達しやすいです。そのため積載効率の計算が必要不可欠です。

 

LCL輸送(混載便・1CBM単位)

パレット数枚程度の少量(〜300ケース前後)からスタートする場合に最適です。

LCL: Less Than Container Load
項目 金額(目安)/CBM 備考
海上運賃 $100 〜 $150 容積(縦×横×高さ)または重量で計算
混載手数料 $95 〜 $160 日本側でのコンテナ詰め替え費用
フランス側現地費用 $170 〜 $300 到着後の仕分け・保管費用
合計概算(/1CBM) $335 〜 $610 約5万 〜 10万円

金額は、1CBMあたりの概算費用です。商品(ケース)数量によって合計費用は変動します。

一般的に10〜15CBM以上の貨物量になる場合は、LCLよりもFCL(20ft)を1本借り切る方が安価です。加えて、混載と比べ輸送時の破損リスクも低減します。フランス側の販売店等の買い手が大量仕入れを許容できるなら、コンテナ1本組んで送る方が双方にとって利点があります。

 

その他、ウィスキー輸出特有の追加費用

物流コスト以外に発生する、酒類ならではの経費にご注意ください。

  • 輸出用梱包費(パレタイズ): ウィスキーは割れ物のため、強化段ボールやパレットへの固定、シュリンクラップ加工などが必要です。(1パレットあたり1〜2万円程度)
  • 海上保険料: 今回の貨物「ウィスキー」に限らずですが、外航貨物海上保険への加入は必須です。貨物代金の約0.3% 〜 0.8%程度が一般的目安です。
  • 分析証明書・書類作成代行: フランス税関提出用の成分分析や原産地証明の取得代行費用(1案件あたり数万円)。
詳細は、別記事をご覧ください。

  • フランスで日本のウイスキーを流通させるために必要な申請手続きを洗い出してみる。(*近日公開予定)

 

2026年の国際物流について

ウクライナ・中東における地政学的リスクや米・中貿易戦(関税措置)、日本国内でもドライバー不足等の物流問題を抱えていたりと、その都度適切な対応を選択し実行していくほかないのですが。

それでも知識として知っておいても良い国際物流の動向を2点だけお伝えします。

①リードタイムの長期化への対策

紅海回避(喜望峰経由)が続いているため、日本〜フランス間は、45日〜55日程度かかります。

フランス現地で在庫切れを防ぐためには、「先行在庫」の検討や、およそ2ヶ月のリードタイムを見込んだ発注管理が不可欠です。

当然、両国の企業間での建設的コミュニケーションが求められます

当記事執筆時点での最新情報: 海運大手マースク、紅海ルートの定期運航を再開|ロイター

喜望峰ルートから短距離の紅海ルートへ段階的に戻していくことで、輸送運賃の低下と貨物運搬の所要期間が1週間短縮が見込めるようです。

とわ言うものの、依然としてリードタイムの長期化への対策は、対応策を持っておくことが流通を継続していく上で大切です。

②環境規制(CII/EEXI)の影響

2026年は脱炭素規制が強化されるため、環境に配慮した燃料を使用する船便には追加の「環境課金(Green Surcharge)」が発生する可能性があります。