ベトナムから日本へ商品を輸出する際、最初に直面する大きな選択肢が「コンテナ輸送の形式」です。

海上輸送では、貨物量に応じて「FCL便」と「LCL便」という2つの輸送方法があります。

  • 「コンテナを1本借りるべきか?」
  • 「荷物が少ない場合はどうすればいいのか?」
  • 「FCLとLCLの違いは何か?」
  • 「どちらの輸送方法を選ぶべきか?」

物流経験がない担当者様にとって、「FCL(コンテナ単位)」と「LCL(混載便)」の選択は、「コスト」だけでなく「納期」や「荷受けの手間」にも大きく関わります。

当記事では、ベトナムから日本への輸出実務に基づき、コンテナ輸送の仕組みと、FCLとLCLの違い、そして、貴社に最適な輸送手段を選ぶための判断基準をわかりやすく解説します。

はじめに|コンテナ輸送とは

コンテナ輸送とは、貨物を大型コンテナに積載して海上輸送する方法です。

現在の国際物流では、ほとんどの海上輸送がコンテナを利用して行われています。

コンテナ輸送には次のような特長があります。

  • 貨物を安全に輸送できる
  • 荷役作業が効率化される
  • 大量輸送が可能

そのため、ベトナムから日本への輸出でも、多くの貨物がコンテナ船で輸送されています。

<2023年>

カットライ港(ホーチミン市)のコンテナ貨物量は、7,397,718TEU。世界第25位。

東京港のコンテナ貨物量は、4,570,000TEU。世界46位。

*参考: 日本港湾協会 港湾政策研究所
*TEU: コンテナの容量・取扱量を表す国際的単位。海上コンテナ輸送で使用される20ftコンテナ1個分を「1」、40ftコンテナ1個分を「2」と換算。

 

FCL便とLCL便の基礎知識|何が違うの?

ベトナム・日本間の海上輸送に限らずですが、海上輸送で使われる、基本的な2つのコンテナ輸送形式を整理します。

FCL便とLCL便の違い

項目 FCL便 LCL便
正式名称 Full Container Load Less than Container Load
コンテナ利用 1社で貸切 複数社で共有(混載)
適した貨物量 大量(コンテナ1本分) 少量(コンテナ1本未満)
運賃単位 コンテナ1本単位 重量/容積単位(CBM/RT)
荷崩れ・ダメージリスク 低い(自社で管理可能) 高い(他社荷物と混在)
輸送速度 LCLと比べて早い FCLと比べて遅い

 

FCL便とは(コンテナ貸切輸送)

FCLとは、「Full Container Load」の略で、 1つのコンテナを1社の貨物だけで使用する輸送方法です。

コンテナを貸し切る形になるため、主に貨物量が多い場合に利用されます。

FCL便の特徴

FCL便は、自社貨物のみでコンテナを占有するため、柔軟な積み込みが可能で、結果的に貨物ダメージも防ぎやすいのが特長です。

料金は、「コンテナ1本いくら」と決まっていて分かりやすい反面、空きスペースが生じても全額負担となります。

そのため、コストパフォーマンスを追求するには積載効率の最適化が不可欠となります。

FCL便のメリット

配送スピードが速い

コンテナを港でピックアップしてそのまま納品先へ運べるため、LCLより数日早く到着します。

ダメージリスクが低い

輸出地で積み込んだら、輸入地で開けるまで扉を閉めたままなので、破損や紛失のリスクが抑えられます。

荷役費用がシンプル

容積(M3)ではなく、コンテナ単位の料金体系になります。

FCL便のデメリット

荷物が少ないと、コンテナ内のデッドスペース(空き)にも運賃を支払うことになり、割高になります。

 

LCLとは(混載輸送)

LCLとは、「Less than Container Load」の略で、 複数の企業の貨物を1つのコンテナにまとめて輸送する方法です。

貨物量が少ない場合に利用される輸送方法です。

LCL便の特徴

LCL便は、1パレット以下の小口貨物から対応可能な、柔軟性の高い輸送手段です。

1本のコンテナを、他社の貨物とシェアする「混載輸送」のため、料金は重量や容積に応じたRTベースとなります。

一般的に航空便より安価ですが、FCL便と比較すると、割高な設定です。

注意点として、多種多様な貨物と共に混載するため、内容物に応じた適切な梱包が求められます。

また、両国の港湾地区の専用倉庫「CFS(コンテナ・フレート・ステーション)」での仕分け・積込作業を要するため、FCL便と比べて、お届けまでに3〜5日ほど余計に時間がかかるのが一般的です。

LCL便のメリット

少量の荷物でも低コスト

荷物の体積(M3)や重量に応じて運賃が決まるため、数カートンなどの小口輸出に適しています。

LCL便のデメリット

追加費用が発生しやすい

港の倉庫(CFS)で荷物を仕分ける費用(CFS Charge)など、特有の付帯費用がかかります。

時間がかかる

混載作業や仕分け作業があるため、FCLよりも合計で3〜5日程度日数が伸びるのが一般的です。

ダメージリスク

他社の荷物と積み重ねられるため、梱包を強固にする必要があります。

 

FCL便とLCL便どちらを選ぶべき?|3つの判断基準

さて、ここからは、初めての担当者のあなたに向けて、貴社が最適な輸送手段を選ぶための判断基準(= 選び方の目安)をお伝えします。

1.物量(ボリューム)で決める

一般的には、15M3(立方メートル)以上であれば、FCL(20フィートコンテナ)を検討する価値があります。

10M3以下

LCLが圧倒的に有利。

10〜15M3

運賃や手数料の総額でどちらが安いか見積もり比較が必要。

15M3以上

FCLの方が安く、かつ安全になるケースが多い。

例外も多々あり

※上記は、あくまで一般論です。貨物や取引条件によって、最適な輸出方法は変わり得ます。

毎回の取引物量が不規則な場合は、その都度、提携しているフォワーダーに確認することをおすすめします。

弊社の「販売店事業部」も、日本の商社から化粧品CIF条件輸入しています。この場合、6M3以上の物量を仕入れたい場合は、コンテナ内がスカスカでも、コスト面だけを見ると、LCL便ではなく、FCL便で手配してもらう方が合理的です。

2.リードタイム(納期)で決める

  • 「展示会に間に合わせたい」
  • 「欠品を防ぎたい」

など、まとまった数量の貨物を急ぎで納品する場合は、迷わずFCLを選択するべきです。

LCL便は、他社の荷物の状況税関の検査によって、スケジュールが遅延するリスクがFCLより高いからです。

※コスト面を考慮しないで良いなら、航空便の利用を選択する手もあります。

3.荷物の性質(梱包・強度)で決める

壊れやすい精密機器や、非常に重い機械等は、他社の荷物と混ざるLCLは避けたほうが無難です。

逆に、頑丈なカートンに入った雑貨や衣類などはLCLに向いています。

 

ベトナムで14年の物流サポート経験を持つ「弊社(フォワーダー)にお問い合わせ」いただければ、製品のピックアップから納品まで、「door-to-door」で貴社の物流をサポートいたします。

 

ベトナム輸出実務での注意点

最後に、ベトナム特有の物流事情も踏まえておきましょう。

CFS(混載倉庫)でのトラブル防止

LCLの場合、ベトナム側の倉庫(ホーチミンやハイフォン等)で荷物を預けます。

この際、梱包が不十分だと受け取りを拒否されたり、追加のパレタイズ費用を請求されたりすることがあります。

事前にフォワーダーへ確認しておきましょう。

関連する貿易書類の準備

FCL便、LCL便に限らず、海外輸出を行うには、「インボイス(Invoice)」「パッキングリスト(Packing List)」等、輸出書類が必要です。

基本7書類の役割と作成方法ポイントについて把握したい方は、関連記事も併せてご確認ください。

 

まとめ

各便の条件・貨物情報・取引先との取り決めによって、最適な輸送手段が確定します。

「今回の出荷量はどれくらいか?」

「いつまでに届けたいか?」

「どんな貨物か?」

これら情報・条件を正確に把握することから始めましょう。

無論、自社・ご担当者のあなたが全てをハンドリングする必要はありません。

優先順位を整理する段階から、フォワーダー(弊社)に問い合わせすることも、取引をスムーズに進捗させる一手です。まずは、お気軽にご連絡ください。

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