ベトナムから日本へ製品や原材料を輸出する際には、さまざまな貿易書類が必要になります。

代表的な書類としては、「インボイス(Commercial Invoice)」や「パッキングリスト(Packing List)」などが挙げられます。

実務では「売約定確認書(Sales Confirmation)」や「支払い請求書(Payment Invoice)」など、取引内容を証明する複数の書類、貨物情報に関する書類等を準備する必要があります。

初めてベトナムから日本への輸出を行う企業担当者にとっては、「どの書類が必要なのか?」、「それぞれの役割は何か?」、「具体的にどのように作成すればよいのか?」、「そもそも、輸出手続きは誰が行うの?」等、どこから手をつけて良いかわからず困ることもあるでしょう。

当記事では、ベトナム輸出で必要となる代表的な書類を一覧形式で解説し、それぞれの役割や作成時のポイントを分かりやすく紹介します。

関連記事もぜひ、ご覧ください。

ベトナムから日本へ輸出する方法|物流・通関・必要書類まとめ(*近日公開予定)

目次
  1. 1.ベトナム輸出に必要な書類一覧
  2. 2.インボイス(Commercial Invoice)
  3. 3.パッキングリスト(Packing List)
  4. 4.売約定確認書(Sales Confirmation)
  5. 5.支払い請求書(Payment Invoice)
  6. 6.その他ベトナム輸出で必要になる書類
  7. 7.ベトナム輸出書類を作成する際の注意点
  8. 8.よくある質問(FAQ)
  9. 9.まとめ|ベトナム輸出では複数の貿易書類が必要
  10. 10.輸出書類テンプレートのダウンロード

1.ベトナム輸出に必要な書類一覧

1-1.輸出で基本となる7つの書類

ベトナムから日本へ商品を輸出する際には、次のような様々な貿易書類が使用されます。

項目 用途
インボイス(Commercial Invoice) 売買証明・税関提出
パッキングリスト(Packing List) 梱包内容の確認
売約定確認書(Sales Confirmation) 売買契約確認
支払い請求書(Payment Invoice) 代金請求
原産地証明書(Certificate of Origin) 原産国証明
船荷証券(Bill of Lading) 輸送契約・貨物引換
輸出申告書(Export Declaration) 税関申告

これらの書類を適切に作成することで、輸出手続きや物流手配をスムーズに進めることができます。

1-2.なぜ輸出書類が必要なのか

ベトナムから日本へ製品や原材料を輸出する際には、「インボイス」や「パッキングリスト」などの貿易書類を準備する必要があります。

これらの書類は単なる事務書類ではなく、税関手続き物流手配取引証明といった重要な役割を持っています。

輸出取引では、貨物が国境を越えて移動するため、「両国の税関」や「物流会社」など複数の関係者が関わります。

そのため、貨物の内容や取引条件を正確に伝えるための公式な書類が不可欠となります。

ここでは、輸出書類が必要とされる主な理由を、輸出に関わる各関係者の立場から解説します。

1-2-1.税関手続きのため

輸出書類の最も重要な役割の一つが、税関手続き(輸出通関)です。

ベトナムから貨物を輸出する場合、税関では以下のような情報を確認します。

  • どの企業が輸出するのか?
  • どのような商品なのか?
  • 数量や価格はいくらか?
  • 輸出先の国はどこか?

これらの情報は主に、インボイスやパッキングリストによって確認されます。

税関は、これらの書類をもとに、輸出申告内容が正しいかどうかを判断します。

もし書類に不備や不一致がある場合、通関が遅れたり追加確認が求められるケースもあります。

そのため、輸出書類を正確かつ統一された内容で作成することが非常に重要です。

1-2-2.物流手配のため

輸出書類は、「物流会社(フォワーダー)」や「運送会社」が貨物を取り扱う際にも必要になります。

例えば、パッキングリストには以下のような情報が記載されています。

  • 梱包数(カートン数)
  • 貨物の重量(Gross Weight / Net Weight)
  • 梱包サイズ
  • 商品内容

これらの情報は、「物流会社」が以下のような判断を行うために必要になります。

  • コンテナの積載計画
  • 航空貨物スペースの確保
  • 港や倉庫での貨物管理

つまり、輸出書類は物流オペレーションをスムーズに進めるための基本情報としても重要な役割を果たします。

また、「物流会社」は、上記のような貨物の一般情報以外に、成分表や製品ライセンス書類等より深く製品情報を確認することがあります。

これは、各取引に最適な輸出方法・手段をカスタマイズするためです。

1-2-3.輸出に関わる全関係者の取引証明のため

輸出書類は、取引内容を証明する公式な記録としても利用されます。

特にインボイスは、売買契約に基づいて発行される書類であり、以下のような情報が明記されます。(詳細を後述。)

  • 売り手(Exporter)
  • 買い手(Importer)
  • 商品名
  • 数量
  • 単価
  • 取引金額

この情報は、企業間の取引記録としてだけでなく、次のような場面でも利用されます。

  • 国際送金
  • 会計処理
  • 税務処理
  • 貿易契約の証明

そのため、輸出書類は単なる物流書類ではなく、国際取引を証明する重要なビジネス文書でもあります。

1-3.書類の整合性が非常に重要

輸出実務では、すべての書類の内容を一致させることが非常に重要です。

例えば、次のような書類間で内容が一致している必要があります。

  • インボイス
  • パッキングリスト
  • 通関書類
  • 船荷証券(B/L)

もし商品名や数量、重量などに差異がある場合、税関で追加確認が行われたり、通関手続きが遅れる可能性があります。

そのため、輸出書類を作成する際には、各書類の内容を必ず確認し、整合性を保つことが非常に重要です。

 

2.インボイス(Commercial Invoice)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_支払い請求書_Payment Invoiceインボイス(Commercial Invoice)

2-1.インボイスとは

インボイス(Invoice)」は、輸出取引において発行される最も重要な貿易書類の一つです。

日本語では「商業送り状」や「請求書」と訳されることもありますが、国際貿易においては単なる請求書ではなく、取引内容や支払い根拠を証明する公式文書として扱われます。

ベトナムから日本へ製品や原材料を輸出する場合、輸出者が、輸入者に対してインボイスを発行します。

この書類には、商品の名称や数量、価格、取引条件などが記載されており、輸出取引の基本情報を示す役割を担います。

また、インボイスは税関手続きや物流手配、国際決済など、さまざまな場面で使用されるため、輸出取引の中心となる書類ともいえます。

2-1-1.売買内容を証明する書類

インボイスは、輸出者と輸入者の間で行われる売買取引の内容を証明する書類としての役割を持っています。

これらの情報は、国際取引における正式な売買記録として扱われ、企業の会計処理や貿易実務において重要な資料となります。

一般的なインボイスに記載される情報は、後で詳しく解説します。

2-1-2.税関手続きに必要な書類

インボイスは、輸出通関および輸入通関の際に税関へ提出する重要書類でもあります。

税関では、インボイスに記載された情報をもとに、以下のような内容を確認します。

  • どのような商品が輸出されるのか
  • 商品の価格はいくらか
  • 輸出先の国はどこか
  • 取引条件(Incoterms)は何か

これらの情報をもとに、関税評価輸入申告審査がされます。

そのため、インボイスの内容が不正確であったり、他の貿易書類と一致していない場合、通関手続きが遅れる原因になることがあります。

輸出実務では、正確かつ統一された情報をインボイスに記載することが非常に重要です。

2-1-3.支払いの根拠となる書類

インボイスは、輸入者が輸出者へ代金を支払う際の「支払い請求書(Payment Invoice)」としても利用されます。

海外取引では、「銀行送金(T/T)」や「信用状(L/C)」などの方法で代金決済が行われますが、その際に支払いの根拠となるのがインボイスです。

例えば銀行送金の場合、輸入者はインボイスに記載された金額をもとに海外送金を行います。

ベトナムから送金する場合は、銀行もインボイス(他貿易書類共)を確認したうえで支払いを実行します。

このようにインボイスは、物流・通関だけでなく、国際決済の場面でも重要な役割を果たす書類です。

<銀行送金(T/T): Telegraphic Transfer>

銀行の国際ネットワークを通じて、国内外の口座へ迅速に代金を送金する決済方法。

<信用状(L/C): Letter of Credit>

輸入者の銀行が、輸入者に代わって輸出者への代金支払いを確約する書類。輸出者には「確実な代金回収」、輸入者には「確実な船積み(商品受け取り)」が保証される。

2-1-4.輸出取引の中心となる書類

インボイスは、輸出取引に関わる多くの関係者が参照する書類です。

例えば、次のような場面で使用されます。

  • 税関による輸出入審査
  • 物流会社による貨物手配
  • 銀行による決済確認
  • 企業の会計・税務処理

このように、インボイスは輸出取引全体の基準となる書類であり、他の貿易書類も、基本的にインボイスの情報をもとに作成されます。

2-2.インボイスに記載する項目

インボイスには、輸出取引の内容を明確に示すためのさまざまな情報を記載します。

これらの情報は、輸出者と輸入者の取引内容を証明するだけでなく、税関手続きや物流手配、国際決済の場面でも使用されます。

そのため、インボイスを作成する際には、必要な項目を正確に記載することが重要です。

インボイスに記載される主な項目を一覧で確認します。

項目 内容
輸出者情報 企業名、住所、TEL、税務コード等を記載
輸入者情報 企業名、住所、TEL、税務コード等を記載
書類番号 インボイス発行番号を記載
商品名 正確かつ具体的な商品名を記載
数量 商品数量を記載
単価 商品単価を記載
合計金額 商品合計金額を記載
通貨 取引に使用する通貨を記載
取引条件 貿易条件を記載

ここでは、ベトナムから日本へ輸出する際のインボイスに一般的に記載される主な項目を、一つずつ解説します。

2-2-1.基本情報|輸出者・輸入者情報

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_インボイス_Commercial Invoice_2-2-1.基本情報|輸出者・輸入者情報輸出者・輸入者情報
輸出者
(Exporter)
・会社名(Company Name)
・住所(Company Address)
・郵便番号(ZIP Code)
・連絡先(Tel)
・税コード(Tax Code)
輸入者
(Importer)
・会社名(Company Name)
・住所(Company Address)
・郵便番号(ZIP Code)
・連絡先(Tel)
・税コード(Tax Code)

これらの情報は、税関や物流会社が貨物の取引当事者を確認するために使用されます。

特に企業名や住所は、正式な会社名・登録住所で記載することが重要です。

2-2-2.インボイス番号(Invoice Number)と発行日

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_インボイス_Commercial Invoice_2-2-2.インボイス番号Invoice-Numberと発行日インボイス番号(Invoice Number)

インボイスには、書類を識別するためのインボイス番号を設定します。

一般的には、次のような形式で管理されることが多いです。

例_弊社が使用するインボイス番号例: 弊社が使用するインボイス番号

弊社例:た、インボイスには、発行日(Invoice Date)必ず記載します。

この情報は、取引の記録会計処理貿易書類の管理等に使用される重要な項目です。

2-2-3.商品情報(Product Description)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_インボイス_Commercial Invoice_2-2-3.商品情報Product-Description商品情報(Product Description)

インボイスには、輸出する商品の情報を具体的に記載します。

主な項目は次の通りです。

  • JAN CODE
  • HS CODE
  • 商品名(Product Name)_英語・日本語(必要あれば)
  • 商品説明(Description)
  • 型番・仕様(Model / Specification)

商品名は、できるだけ具体的かつ正確に記載することで、税関での確認がスムーズになります。

NG例: Metal Parts
OK例: Stainless Steel Machine Parts

2-2-4.数量(Quantity)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_インボイス_Commercial Invoice_2-2-4.数量Quantity数量(Quantity)

輸出する商品の数量を記載します。

  • Pieces・Quantity(個数)
  • Sets(セット)
  • Boxes・Cartons(箱・カートン数)

数量の単位は、パッキングリストや通関書類と一致させる必要があります。

2-2-5.単価(Unit Price)と合計金額(Amount)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_インボイス_Commercial Invoice_2-2-5.単価Unit-Priceと合計金額-Amount単価(Unit Price)と合計金額(Amount)

インボイスには、商品の価格情報を記載します。

主な項目

  • 単価(Unit Price)
  • 合計金額(Amount)

この金額は、輸入国の税関で関税計算の基準として使用されます。

2-2-6.通貨(Currency)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_インボイス_Commercial Invoice_2-2-6.通貨Currency通貨(Currency)

インボイスでは、「取引通貨」を明確に記載します。

国際取引では、「米ドル(USD)」が使用されるケースが多いですが、日本企業との取引では「日本円(JPY)」で設定される場合もあります。

 

2-2-7.輸送条件・取引条件(Incoterms)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_インボイス_Commercial Invoice_2-2-7.輸送条件・取引条件Incoterms_2-2-8.出荷港・到着港輸送条件・取引条件(Incoterms)

インボイスには、輸送条件「インコタームズ(Incoterms)」を記載します。

ベトナムからの輸出で一般的なインコタームズ

  • EXW(Ex Works)
  • FOB(Free On Board)
  • CIF(Cost Insurance and Freight)

輸送条件は、輸送費リスクの負担範囲を明確にするための重要な項目です。

これは、取引先間(輸出者と輸入者)で取り決め、物流会社へ貨物情報と共に輸送条件を指定します。

弊社も、ベトナムに工場・会社をもつ日系企業様向けに物流サポートを行う物流企業です。「輸出経験の少ない企業様」や「初取引の輸出案件」時には、取引先間に立って、最適な貿易条件をご提案するケースも少なくありません。

今まさに、お困り事を抱えておられるご担当者様は、ぜひ一度、お問い合わせください。

2-2-8.出荷港・到着港

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_インボイス_Commercial Invoice_2-2-7.輸送条件・取引条件Incoterms_2-2-8.出荷港・到着港出荷港(POL)・到着港(POD)

インボイスには、貨物の輸出条件も記載されます。

  • POL(Port of Loading / 積出港)
  • POD(Port of Destination / 到着港)

<例>

POL: Ho Chi Minh City(Cat Lai)
POD: Tokyo

2-3.インボイス作成のポイント

インボイスは輸出取引の中心となる書類であるため、作成時にはいくつかの重要なポイントがあります。

2-3-1.他の書類と内容を一致させる

輸出実務では、インボイスの内容を基準として、「パッキングリスト」や「通関書類船荷証券(B/L)」等の他の書類が作成されます。

これらの書類の情報が一致していない場合、税関で確認が必要となり、通関手続きが遅れる原因になることがあります。

そのため、商品名・数量・重量・金額などの情報は、すべての書類で一致させることが重要です。

2-3-2.商品名は具体的に記載する

税関審査では、商品の内容を正確に把握する必要があります。

そのため、インボイスの商品名はできるだけ具体的に記載します。

NG例: Parts
OK例: Aluminum Automotive Parts

具体的な商品説明を記載することで、通関手続きがスムーズになります。

2-3-3.取引条件(Incoterms)を必ず明記する

輸出取引では、輸送費やリスクの負担範囲を明確にする必要があります。

そのため、インボイスには必ずインコタームズ(Incoterms)を記載します。

<一般的なインコタームズ>

FOB Ho Chi Minh
CIF Tokyo
EXW Binh Duong

これにより、輸出者と輸入者の責任範囲を明確にすることができます。

2-3-4.インボイス番号は管理しやすい形式にする

インボイス番号は、企業の貿易書類管理において重要な役割を持ちます。

<おすすめの形式>

TTL202603001
TTL202603002
TTL202603003

このように管理することで、後日書類を確認する際にも分かりやすくなります。

 

3.パッキングリスト(Packing List)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_パッキングリスト_Packing Listパッキングリスト(Packing List)

3-1.パッキングリストとは

パッキングリスト(Packing List)」は、輸出する貨物の梱包内容を詳細に示す貿易書類です。

日本語では「梱包明細書」や「梱包リスト」と呼ばれることもあり、インボイスと並んで輸出取引で必ず作成される書類の一つです。

インボイス取引内容(価格・売買情報)を示す書類であるのに対し、パッキングリストは貨物の梱包数(カートン数)、商品の数量、重量、梱包サイズなど物流に関する物理的情報を示す書類という役割を持っています。

ベトナムから日本へ輸出する際には、インボイスとパッキングリストをセットで作成し、税関手続きや物流手配の際に提出するのが一般的です。

3-1-1.税関による貨物確認のため

パッキングリストは、輸出通関および輸入通関の際に税関が貨物内容を確認するための書類として使用されます。

税関では、貨物の内容や数量が輸出申告内容と一致しているかを確認する必要があります。

その際、パッキングリストに記載された情報をもとに、貨物の梱包状況や数量を確認します。

パッキングリストに記載する情報については、後ほど詳しく解説します。

これらの情報により、税関は貨物の実態を把握することができます。

また、税関検査が行われる場合には、パッキングリストを参考にしながら貨物の確認が行われることもあります。

3-1-2.物流会社による輸送手配のため

パッキングリストは、物流会社(フォワーダー)や運送会社が貨物を取り扱う際にも重要な書類です。

物流会社は、パッキングリストに記載された情報をもとに次のような輸送手配を行います。

  • コンテナへの積載計画
  • 航空貨物スペースの確保
  • 貨物重量の確認
  • 輸送費の算出

特に海上輸送では、貨物の重量体積(CBM)運賃計算の基準となるため、パッキングリストに記載された梱包サイズや重量の情報が非常に重要になります。

そのため、パッキングリストには正確な重量・梱包サイズを記載することが求められます。

3-1-3.倉庫や港湾施設での貨物管理のため

パッキングリストは、倉庫や港湾施設における貨物管理にも利用されます。

輸出貨物は通常、次のような流れで取り扱われます。

  • 工場または倉庫で梱包
  • トラック輸送
  • 港または空港で貨物受け入れ
  • コンテナまたは航空貨物として出荷

このような物流プロセスの中で、倉庫や港湾施設のスタッフは、パッキングリストをもとに貨物を取り扱います。

例えば、次のような用途で使用されます。

  • 貨物の数量確認
  • 梱包単位の確認
  • 倉庫内での貨物
  • 管理出荷前の最終チェック

そのため、パッキングリストは物流現場での貨物管理を円滑に行うための重要な書類でもあります。

3-1-4.インボイスとの違いとは?

輸出書類としてよく比較されるのが、インボイスとパッキングリストです。

それぞれの役割は次のように異なります。

書類 主な内容 用途
インボイス 価格・取引条件 売買証明・税関申告
パッキングリスト 梱包内容・数量 物流管理・貨物確認

つまり、インボイスは商取引の情報を示す書類であり、パッキングリストは貨物の物理情報を示す書類です。

輸出実務では、これらの書類を組み合わせて使用することで、税関や物流会社が貨物の内容を正確に把握できるようになります。

3-2.パッキングリストの記載項目

パッキングリストには、輸出する貨物の梱包内容を正確に伝えるための情報を記載します。

この書類は、税関・物流会社・倉庫など多くの関係者が確認するため、貨物の数量・重量・梱包情報などを明確に記載することが重要です。

ベトナムから日本へ輸出する場合でも、基本的な記載項目は国際貿易の一般的なフォーマットに従って作成されます。

まずは、パッキングリストに記載される主な項目を一覧で確認します。

項目 内容
輸出者情報 企業名、住所、TEL、税務コード等を記載
輸入者情報 企業名、住所、TEL、税務コード等を記載
書類番号 パッキングリスト発行番号を記載
作成日 パッキングリスト作成日を記載
商品名 正確かつ具体的な商品名を記載
数量 総梱包数
梱包番号 梱包番号を記載
総重量 梱包材を含めた重量を記載
正味重量 梱包材を除いた中身だけの重量を記載
梱包サイズ 各梱包サイズを記載
総梱包数 総梱包数を記載

これらの情報を正確に記載することで、物流会社や税関が貨物の内容を把握しやすくなります。

3-2-1.輸出者・輸入者情報

省略。インボイスへの記載方法と同じです。

3-2-2.パッキングリスト番号(Packing List No.)と作成日

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_3-2-2.パッキングリスト番号Packing-List-No.と作成日パッキングリスト番号(Packing List No.)

例: TTLPL202603001 / TTLPL202603002

また、作成日(Packing Date)も必ず記載します。

「貿易書類の管理」、「物流書類の照合」、「会計・取引記録」などに使用される、大切な情報です。

3-2-3.貨物情報(Product Description)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_3-2-3.貨物情報Product-Description貨物情報(Product Description)

パッキングリストには、輸出する商品の名称を記載します。

主な記載内容:

  • 商品名
  • 型番
  • 商品説明

商品名は、税関や物流会社が内容を理解できるように、できるだけ具体的に記載することが望ましいです。

商品名の言語表記についても、両者間での取り決め時に確定しておきましょう。

NG例: Parts
OK例: Plastic Injection Molded Parts

3-2-4.数量(Quantity)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_3-2-4.数量Quantity数量(Quantity)

輸出する商品の数量を記載します。

  • pcs(個)
  • sets(セット)
  • cartons(カートン)

数量は、インボイス・通関書類と一致させる必要があります。

数量が一致しない場合、税関で確認が必要となり通関が遅れる可能性があります。

3-2-5.梱包番号(Package Number)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_3-2-5.梱包番号Package-Number梱包番号(Package Number)

パッキングリストでは、梱包単位ごとに番号梱包箱に記載の文字・番号(ITFコードやSCMラベル)を記載することがあります。

3-2-6.重量(Gross Weight / Net Weight)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_3-2-6.重量Gross-Weight-Net-Weight重量(Gross Weight / Net Weight)

パッキングリストには貨物の重量を記載します。

主に次の2種類があります。

Gross Weight(総重量) 梱包材を含めた重量 520kg
Net Weight(正味重量) 商品のみの重量 500kg

この重量情報は、物流会社が輸送費を算出する際にも使用されます。

3-2-7.梱包サイズ(Package Size)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_3-2-7.梱包サイズPackage-Size梱包サイズ(Package Size)

梱包のサイズ(Dimensions)もパッキングリストに記載されることがあります。

例: 50cm × 40cm × 30cm

また、海上輸送では、貨物体積(CBM)運賃計算に使用されるため、梱包サイズの情報が重要です。

3-2-8.総梱包数(Total Packages)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_3-2-8.総梱包数Total-Packages総梱包数(Total Packages)

最後に、輸出する貨物の総梱包数を記載します。

例: Total Packages: 10 Cartons

この情報は、港湾施設倉庫運送会社などで貨物を管理する際に使用されます。

 

4.売約定確認書(Sales Confirmation)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_売約定確認書_Sales Confirmation売約定確認書(Sales Confirmation)

国際取引では、売買条件を明確にするために様々な貿易書類が作成されます。

その中でも、輸出者と輸入者の間で取引内容を正式に確認する書類が、「売約定確認書(Sales Confirmation)」です。

売約定確認書は、輸出契約の条件を明文化した書類であり、取引条件の認識を双方で共有するために使用されます。

主に商品の内容、数量、価格、納期、支払条件などの基本的な取引条件が記載されます。

ベトナムから日本へ商品を輸出する際にも、取引条件を明確にする目的で作成されることが多く、貿易実務の初期段階で重要な役割を持つ書類の一つです。

4-1.売約定確認書とは

先述した通り、「売約定確認書」とは、輸出者と輸入者の間で合意した売買契約の内容を確認するための書類です。

国際取引では、メールや商談を通じて価格や条件を交渉した後、最終的な合意内容を文書としてまとめることが一般的です。

4-1-1.この書類を作成する目的

  • 取引条件の認識違いを防ぐ
  • 契約内容を明確にする
  • 貿易実務の基準書類として利用できる

また、売約定確認書は、輸出実務において物流手配書類作成の基準となる書類としても活用されます。

例えば、売約定確認書に記載された内容をもとに、「インボイス」や「パッキングリスト」、「出荷手配」、「支払い手続き」などが進められるケースが多くあります。

4-2.売約定確認書の記載内容

売約定確認書には、輸出取引の基本条件が記載されます。

具体的には、商品情報・価格・納期・支払条件など、売買契約の重要事項が明確に示されます。

ここでは、一般的な記載項目を解説します。

項目 内容
商品名 商品名を記載
数量 数量を記載
価格 価格(単価・合計金額)を記載
納期 納期を記載
支払条件 支払い条件を記載

これらの項目は、輸出者と輸入者の双方にとって重要な契約条件となります。

4-2-1.商品(Product)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_売約定確認書_Sales Confirmation_4-2-1.商品Product商品(Product)

売約定確認書には、取引対象となる商品の情報を記載します。

主な記載内容

  • 商品名
  • 型番
  • 商品仕様
  • 商品説明

商品情報を具体的に記載することで、どの商品を取引するのかを明確にすることができます。

例: Cosmetic Skin Care Products

また、同じ商品名でも仕様が異なる場合があるため、必要に応じて型番や仕様も記載することが望ましいです。

4-2-2.数量(Quantity)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_売約定確認書_Sales Confirmation_4-2-2.数量Quantity数量(Quantity)

売買契約で合意した商品の数量を記載します。

数量の単位には、次のようなものが使用されます。

  • pcs(個)
  • sets(セット)
  • cartons(カートン)
  • kg(キログラム)

数量は、後に作成されるインボイスやパッキングリストと一致させる必要があります。

4-2-3.価格(Price)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_売約定確認書_Sales Confirmation_4-2-3.価格Price価格(Price)

商品の販売価格を記載します。

4-2-4.納期(Delivery Time)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_売約定確認書_Sales Confirmation_4-2-4.納期Delivery-Time納期(Delivery Time)

売約定確認書には、商品の納期または出荷予定日を記載します。

<例>

Delivery within 30 days after order
Shipment in May 2026

納期は、輸入者にとって非常に重要な情報であり、物流手配や販売計画に影響する重要な契約条件となります。

4-2-5.支払条件(Payment Terms)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_売約定確認書_Sales Confirmation_4-2-5.支払条件Payment-Terms支払条件(Payment Terms)

売約定確認書には、支払方法や支払期限などの条件を記載します。

代表的な支払条件

  • T/T(銀行送金)
  • L/C(信用状)
  • Advance Payment(前払い)

<例>

Payment Terms: T/T 30 days
T/T by 10th/Mar, 2026

支払条件を明確にすることで、取引のトラブルを防ぐことができます。

4-3.補足: 売約定確認書は輸出取引のスタートとなる書類

売約定確認書は、輸出取引の中でも契約段階で作成される重要な書類です。

一般的な貿易実務の流れは次のようになります。

  1. 商談・価格交渉
  2. 売約定確認書(Sales Confirmation)作成
  3. インボイス作成
  4. パッキングリスト作成
  5. 支払い請求書作成
  6. 出荷・物流手配

このように、売約定確認書は輸出取引のスタート地点となる書類と言えます。

 

5.支払い請求書(Payment Invoice)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_支払い請求書_PAYMENT-INVOICE支払い請求書(Payment Invoice)

国際取引では、商品の売買契約や出荷手続きとともに、代金の支払いに関する書類も重要な役割を持ちます。

その中でも、輸入者に対して商品の代金を正式に請求するための書類が、「支払い請求書(Payment Invoice)」です。

支払い請求書は、輸出者が輸入者に対して商品代金の支払いを求めるために発行する書類であり、請求金額や支払期限、銀行情報などが記載されます。

ベトナムから日本へ商品を輸出する場合でも、銀行送金(T/T)などで決済を行う際には、支払い請求書をもとに支払い手続きが行われることがあります。

取引企業間の取り決め次第では、「Payment Invoice」の代わりに「借方通知書(Debit Note)」を使用するケースも多くあります。

5-1.Payment Invoiceとは

Payment Invoiceとは、輸出者が輸入者に対して商品代金の支払いを請求するために発行する書類です。

日本語では「請求書」や「支払い請求書」と呼ばれることがあります。

この書類には、商品の価格や支払期限、銀行口座情報などが記載されており、輸入者はその内容に基づいて支払いを行います。

特に銀行送金(T/T決済)を行う場合には、支払い請求書に記載された情報をもとに送金手続きが行われることが一般的です。

また、企業の会計処理や取引記録としても利用されるため、正確な情報を記載することが重要です。

5-2.Payment Invoiceの主な記載項目

Payment Invoiceには、代金請求に必要な基本情報が記載されます。

一般的には次のような項目が含まれます。

項目 内容
請求書番号 請求書番号を記載
請求日 請求日を記載
輸入者情報 企業名、住所、TEL、税務コード等を記載
輸出者情報 企業名、住所、TEL、税務コード等を記載
商品内容 商品情報を記載
請求金額 請求金額を記載
支払条件 支払い条件を記載
銀行口座情報 支払い先等の情報を記載

これらの情報を明確に記載することで、輸入者がスムーズに支払い手続きを行うことができます。

5-2-1.請求金額(Total Amount)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_支払い請求書_PAYMENT-INVOICE_5-2-1.請求金額Total-Amount請求金額(Total Amount)

Payment Invoiceには、輸入者が支払うべき合計金額を記載します。

国際取引では、通貨を明確にするため、USD(米ドル)やJPY(日本円)などの通貨表記を必ず記載します。

5-2-2.支払条件(Payment Terms)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_支払い請求書_PAYMENT-INVOICE_5-2-2.支払条件Payment-Terms支払条件(Payment Terms)

Payment Invoiceには、支払方法や支払期限などの条件を記載します。

代表的な支払方法には次のようなものがあります。

  • T/T(銀行送金)
  • L/C(信用状)
  • Advance Payment(前払い)

例: Payment Terms: T/T within 30 days

支払条件を明確にすることで、取引のトラブルを防ぐことができます。

5-2-3.銀行口座情報(Bank Information)

ベトナムから日本へ輸出する際の必要書類一覧_支払い請求書_PAYMENT-INVOICE_5-2-3.銀行口座情報Bank-Information銀行口座情報(Bank Information)

銀行送金で支払いを行う場合には、輸出者の銀行口座情報を記載します。

主な記載内容

項目 内容
Bank Name 銀行名
Branch Name 支店名
Branch Address 支店住所
SWIFT Code スイフトコード
Account Number 口座番号
Account Name 口座名

これらの情報を正確に記載することで、輸入者は銀行送金を行うことができます。

5-3.補足|Payment InvoiceとCommercial Invoiceの違い

国際取引では、「Invoice」という言葉が複数の意味で使われることがあります。

代表的なのが次の2つです。

項目 内容
Commercial Invoice/インボイス 税関提出・取引証明
Payment Invoice/支払い請求書  代金請求

「Commercial Invoice」は、輸出通関や輸入通関の際に使用される貿易書類です。

一方、「Payment Invoice」は、輸入者に対して代金の支払いを請求するための書類です。

実務では、「Commercial Invoice」をそのまま請求書として利用するケースも多く、企業によって運用方法が異なる場合があります。

支払いの場面で、「この請求書では支払い手続きができず、別途作成依頼を行ったが、結果的に取り決めていた支払日を過ぎてしまった」等のトラブルが起きると、その後の取引に支障が出る可能性が高いです。

輸入者・輸出者の間で事前に確認しておくことが、気持ちの良い取引を行う上で、非常に大切です。

 

6.その他ベトナム輸出で必要になる書類

ベトナムから日本へ商品を輸出する際には、インボイスやパッキングリスト以外にも、状況に応じて様々な貿易書類が必要になります。

これらの書類は、税関手続き、物流手配、輸入国での通関など、輸出プロセスの各段階で使用されます。

特に海上輸送や航空輸送を行う場合には、運送書類や証明書類が必要になることが一般的です。

ここでは、ベトナムから日本へ輸出する際に代表的な追加書類として、「原産地証明書(C/O)」、「B/L(船荷証券)」、「輸出申告書」の3つの書類について解説します。

6-1.原産地証明書(C/O)

原産地証明書(Certificate of Origin / C/O)」とは、輸出する商品の原産国を証明する書類です。

この書類は、輸入国の税関に対して「その商品がどの国で生産されたか」を証明するために使用されます。

原産地証明書が必要となる主な理由は次の通りです。

  • 関税の適用を判断するため
  • 自由貿易協定(FTA)の優遇関税を適用するため
  • 商品の原産地を確認するため

例えば、日本とベトナムの間では、経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)が締結されており、一定の条件を満たす商品については関税が軽減される場合があります。

その際に、商品がベトナムで生産されたことを証明する書類として、商工省およびその他の管轄当局が、製造メーカー(輸出者)に向けて、原産地証明書を発給します。(最近は、オンライン申請による電子発行(e-C/O)も普及しています。)

原産地証明書が必要かどうかは、輸出する商品の種類や輸入国の制度によって異なるため、事前に確認することが重要です。

6-2.B/L(船荷証券)

B/L(Bill of Lading / 船荷証券)」は、海上輸送において発行される最も重要な輸送書類の一つです。

船荷証券は、船会社またはフォワーダーが発行する書類で、次の3つの役割を持っています。

項目 内容
貨物受領証  貨物を受け取ったことを証明する
運送契約書 輸送契約の内容を示す
貨物引換証 貨物を受け取る権利を示す

つまり、B/Lは輸送契約の証明であると同時に、貨物の所有権を示す重要な書類です。

船荷証券には、次のような情報が記載されます。

  • 輸出者(Shipper)
  • 輸入者(Consignee)
  • 船名(Vessel Name)
  • 出港港(Port of Loading)
  • 到着港(Port of Destination)
  • 貨物内容
  • 梱包数

輸入者は、B/Lを提示することで港で貨物を引き取ることができます。

そのため、船荷証券は海上輸送における非常に重要な貿易書類とされています。

関連記事もぜひ、ご覧ください。

ベトナムから日本へ輸出する方法|物流・通関・必要書類まとめ(*近日公開予定)

6-3.輸出申告書

「輸出申告書」は、輸出する貨物の内容を税関に申告するための書類です。

ベトナムから商品を輸出する場合、輸出者または通関業者がベトナム税関に対して輸出申告を行う必要があります。

輸出申告では、主に次のような情報が申告されます。

  • 商品名
  • HSコード
  • 数量
  • 価格
  • 輸出先国

税関は、この申告内容をもとに輸出貨物を確認し、問題がなければ輸出許可が出されます。

輸出申告が完了すると、貨物は港や空港から海外へ出荷することが可能になります。

そのため、輸出申告書は輸出手続きの最終段階で必要となる重要な書類といえます。

「通関手続き」でお困りのご担当者様は、ぜひ一度、お問い合わせください。

 

7.ベトナム輸出書類を作成する際の注意点

ここまで解説してきた貿易書類は、税関手続きや物流手配、輸入通関など様々な場面で使用されるため、記載内容に誤りや不一致があると通関の遅延や追加確認が発生する可能性があります。

実際の輸出実務では、書類の不備が原因で出荷スケジュールが遅れるケースも少なくありません。

ここでは、ベトナム輸出書類を作成する際に特に注意すべきポイントを解説します。

7-1.書類の内容は必ず一致させる

輸出書類を作成する際に最も重要なのは、すべての書類で記載内容を一致させることです。 輸出取引では、通常次のような複数の書類が作成されます。

  • インボイス(Commercial Invoice)
  • パッキングリスト(Packing List)
  • 船荷証券(B/L)
  • 輸出申告書
  • 原産地証明書

これらの書類の内容が一致していない場合、税関や物流会社から確認が入る可能性があります。

特に次の項目は、すべての書類で一致させる必要があります。

項目 確認ポイント
商品名 すべての書類で同じ名称
数量 数量や単位を統一
重量 Net Weight、Gross Weight
梱包数 Carton数、Package数
価格 インボイスとの整合性

例えば、インボイスでは「100個」と記載されているのに、パッキングリストでは「120個」と記載されている場合、税関で確認が必要になる可能性があります。

そのため、輸出書類を作成する際には、基準となる書類(通常はインボイス)をもとにすべての書類を作成することが重要です。

7-2.HSコードの誤りに注意

輸出申告を行う際には、商品の分類コードである「HSコード(Harmonized System Code)」を申告する必要があります。

HSコードとは、世界共通の品目分類コードであり、各商品の種類を識別するために使用されます。

HSコードは主に次の用途で使用されます。

  • 税関の輸出入管理
  • 関税の計算
  • 貿易統計の作成

もしHSコードを誤って申告した場合、次のような問題が発生する可能性があります。

  • 関税の誤計算
  • 税関からの修正指示
  • 通関手続きの遅延

特に輸出する商品が複数の用途を持つ場合、適切なHSコードの判断が難しいケースもあります。

そのため、HSコードの確認は次の方法で行うことが推奨されます。

  • 税関のHSコード検索システムを利用する
  • 通関業者やフォワーダーに確認する
  • 過去の輸出実績を参考にする

HSコードは輸出申告の重要な情報となるため、事前に正確な分類を確認しておくことが大切です。

7-3.インコタームズを明確にする

輸出取引では、輸送費やリスクの負担範囲を明確にするために「インコタームズ(Incoterms)」を使用します。

インコタームズとは、国際商業会議所(ICC)が定めた貿易条件のルールであり、輸出者と輸入者の責任範囲を定めるものです。

代表的なインコタームズには次のようなものがあります。

条件 概要
EXW 工場渡し
FOB 本船渡し
CIF 運賃・保険込み

例えば、FOB条件の場合は、輸出者が貨物を船に積み込むまでの費用とリスクを負担します。

一方、CIF条件では、輸出者が輸送費と保険料も負担します。

そのため、インコタームズを明確にしておかないと、次のようなトラブルが発生する可能性があります。

  • 輸送費の負担範囲が不明確
  • 保険手配の責任が曖昧
  • 輸送事故時の責任問題

インコタームズは通常、インボイスや売約定確認書に記載されます。

例: Trade Terms: FOB Ho Chi Minh City

輸出取引を円滑に進めるためには、契約段階でインコタームズを明確にしておくことが重要です。

 

8.よくある質問(FAQ)

ここでは、ベトナムから日本へ輸出する際の貿易書類について、よくある質問をまとめました。

輸出実務に初めて取り組む企業や担当者の方が疑問に感じやすいポイントを解説しています。

ベトナム輸出にインボイスは必須ですか?

A:必須です。

インボイス(Commercial Invoice)は、輸出取引において最も重要な書類の一つです。

インボイスには次のような役割があります。

  • 売買契約の証明
  • 税関申告のための書類
  • 商品価格の証明

輸出通関や輸入通関の際には、税関がインボイスの内容を確認するため、通常は必ず提出が求められます。 そのため、ベトナムから日本へ輸出する際には、インボイスの作成は必須です。

パッキングリストは必要ですか?

A:通関・物流のため必須です。

パッキングリスト(Packing List)は、貨物の梱包内容を示す書類です。 主に次の用途で使用されます。

  • 税関による貨物確認
  • 物流会社による輸送手配
  • 倉庫での貨物管理

パッキングリストには、梱包数、数量、重量などの情報が記載されるため、物流現場では非常に重要な書類となります。 そのため、実務上はインボイスとセットで作成されるケースが一般的です。

売約定確認書(Sales Confirmation)は必ず必要ですか?

A:必須ではありませんが、作成されることが多い書類です。

売約定確認書は、輸出者と輸入者の間で合意した売買条件を確認するための書類です。例えば次のような内容が記載されます。

  • 商品
  • 数量
  • 価格
  • 納期
  • 支払条件

この書類を作成することで、取引条件の認識違いを防ぐことができます。企業によっては契約書や注文書で代替する場合もありますが、国際取引では売約定確認書を作成するケースも多く見られます。

B/L(船荷証券)はいつ発行されますか?

A:通常は貨物が船に積み込まれた後に発行されます。

B/L(Bill of Lading)は、船会社またはフォワーダーが発行する輸送書類です。 この書類には次の役割があります。

  • 貨物受領証
  • 運送契約書
  • 貨物引換証

輸入者は、この船荷証券を提示することで、到着港で貨物を引き取ることができます。

原産地証明書(C/O)は必ず必要ですか?

A:商品や取引条件によって必要になる場合があります。

原産地証明書は、輸出する商品の原産国を証明する書類です。 特に次のような場合に提出が求められることがあります。

  • 関税優遇制度(FTA / EPA)の利用
  • 輸入国の規制対応
  • 原産地確認

すべての輸出取引で必須というわけではありませんが、関税優遇を受ける場合には必要になるケースが多いです。

輸出書類は英語で作成する必要がありますか?

A:多くの場合、英語で作成されます。

国際取引では、輸出書類は英語で作成されることが一般的です。特に次の書類は、英語で作成されるケースがほとんどです。

  • インボイス
  • パッキングリスト
  • B/L
  • 原産地証明書

英語で作成することで、輸出国・輸入国の税関や物流会社が内容を理解しやすくなります。

輸出書類は誰が作成するのですか?

A:通常は輸出者が作成します。 一般的には、輸出者(Exporter)が次の書類を作成します。

  • インボイス
  • パッキングリスト
  • 売約定確認書
  • Payment Invoice

一方で、次の書類は物流会社や通関業者が関与することが多いです。

  • B/L(船会社またはフォワーダー)
  • 輸出申告書(通関業者)

そのため、輸出実務では輸出者・物流会社・通関業者が連携して書類を準備することが一般的です。

 

9.まとめ|ベトナム輸出では複数の貿易書類が必要

ベトナムから日本へ商品を輸出する際に、必要な貿易書類をおさらいします。

項目 用途
インボイス(Commercial Invoice) 売買証明・税関提出
パッキングリスト(Packing List) 梱包内容の確認
売約定確認書(Sales Confirmation) 売買契約確認
支払い請求書(Payment Invoice) 代金請求
原産地証明書(Certificate of Origin) 原産国証明
船荷証券(Bill of Lading) 輸送契約・貨物引換
輸出申告書(Export Declaration) 税関申告

これらの書類を適切に作成することで、輸出手続きや物流手配をスムーズに進めることができます。

 

10.輸出書類テンプレートのダウンロード

10-1.輸出書類テンプレート(Excel)

この記事で紹介した書類の Excelテンプレートを用意しました。

当テンプレートを活用することで、記載漏れなどの初歩的なミスを防いで、スムーズでストレスフリーな取引を開始しましょう。

4つのテンプレート
  • インボイス
  • パッキングリスト
  • 売約定確認書
  • 支払い請求書

ご入用の際は、お問い合わせください。

お悩み相談窓口
ベトナム流通ビジネスで失敗しないための相談窓口

「ネットの情報」や「統計データ中心の市場レポート」だけでは解決できない、「ベトナム独自の商習慣」、「許認可手続きの実情」、「流通ルートの最適解」など、現地の販売店・物流現場に身を置く実務者が、偏りのない一次情報ご提供します。

無料相談窓口の詳細・ご利用方法を確認する。

以下が得意領域です

  • 市場の現実的な可能性|貴社商品のカテゴリーにおける競合・価格帯・消費者動向の概況
  • 最適な流通チャネルの選定|小売、卸、EC、越境ECなど、貴社のリソースに合わせたルート提案
  • 許認可・規制の全体像|化粧品等の輸出に必要な書類やプロセスの実務的な整理
  • 物流・コストの可視化|輸送費、関税、保管、配送までのフローと想定コストの概算
  • リスクの優先順位付け|初取引でハマりやすい罠を回避するための具体的アクション・失敗事例

当サービスの流れ

  1. Step 1.|お問い合わせフォーム・メールから連絡
  2. Step 2.|事前ヒアリング(効率的な相談のため、簡単な質問票にご回答いただきます)
  3. Step 3.|60分間のオンライン相談(ZoomまたはGoogle Meetにて実施)
  4. Step 4.|フォローアップ(相談内容のポイントをまとめた議事録を共有)

さぁ、ベトナム流通ビジネス参入前に、共に解像度を最大化しませんか?

まずは、貴社のお悩み・課題を気軽にお聞かせください。

まずは、無料配布中のホワイトペーパー「【2026年最新版】ベトナム化粧品輸出・流通完全ガイド(全35ページ/PDF)」を見る。

一度、無料相談窓口の詳細・ご利用方法を確認する。

今すぐ、無料オンライン相談に申し込む。

※お問い合わせいただいた日から、2営業日以内に返信いたします。