ベトナム市場への進出や輸出を検討する際、避けて通れないのが「HSコード」の特定です。

HSコードを正しく理解し設定することは、関税率の確定だけでなく、スムーズな通関作業において極めて重要です。

当記事では、日本からベトナムへ輸出する際のHSコードの調べ方や、特有の注意点を解説します。

この記事を書いている人

ホーチミン市在住|7年目
所属法人|現地の物流企業
立ち位置|同社唯一の外国人
専門領域|物流、化粧品・日雑品の流通

当Webブログ運営者のプロフィール

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<物流業>
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<販売業>
日本の化粧品をメインで取り扱う実店舗・自社オンラインショップの運営並びに、小売店様への卸販売を展開しています。

公式EC: [ROKUHACHI MART]
Shopee: [@rokuhachimart]

1.HSコードとは

HSコード(Harmonized System Code)」とは、「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約」に基づき、世界共通で使用されている「商品の分類コード」のことです。

国際貿易において、輸出入されるすべての商品は、このHSコードによって分類されます。

HSコードは通常6桁で構成されており、これは世界共通のルールです。

ただし、各国はこの6桁をベースに、独自の細分類(8桁・10桁など)を追加しています。

ベトナムでは、ASEAN共通関税品目番号(AHTN)に基づき、通常8桁のコードが使用されます。

HSコード(6桁) 世界共通
HSコード(8桁以降) 各国独自(ベトナム、日本など)

つまり、同じ商品でも「日本側のHSコード」と「ベトナム側のHSコード」が異なる可能性があることを把握しておきましょう。

HSコードは以下のような場面で使用されます。関税率の決定輸入規制・許認可の判定原産地証明(FTA/EPA)通関書類の作成輸出実務においては、最も重要な基礎情報の一つです。

 

2.なぜ、HSコードを正しく特定する必要性

日本からベトナムへ商品を輸出する際のHSコードの役割とその調べ方、注意点を解説実例: 弊社が日本の化粧品を輸入した際のC/O

初めてベトナムへの輸出に取り組む経営者や輸出担当者にとって、HSコードは単なる「商品番号」ではなく、「利益率」と「通関の成否」を直結させる経営判断の指標です。

HSコードの調べ方と注意点をお伝えする前に、HSコードを正しく把握する重要性について把握しましょう。

2-1.FTA(自由貿易協定)の活用|ベトナム輸入者のコスト最小化

日本とベトナムの間には、「VJEPA」、「AJCEP」、「CPTPP」、「RCEP」といった複数の自由貿易協定が存在します。

同じHSコードでも、VJEPAでは5%だがCPTPPなら0%というように、協定によって税率が異なることがあります。(*協定の最適化)

また、確実に関税メリットを享受するためには「原産地証明書(C/O)」が必要ですが、C/Oに記載するHSコードと、ベトナム税関に申告するHSコードが一致していなければなりません。

この書類上の不一致は、ベトナム通関で最もトラブルが多いポイントの一つです。

2-2.輸入規制・許可の確認|荷止めリスクの回避

HSコードは、その商品が「ベトナムに入れてもよいものか」を判別するフィルターの役割を果たします。

特定のHSコードには、日本からの輸出前に、ベトナム国内での輸入ライセンスや化粧品等の公表通知(化粧品開示手続き)の取得、動植物検疫(食品等)が紐付いています。

また、HSコードの特定を怠り、船積みした後に「実は輸入ライセンスが必要な品目だった」と判明した場合、貨物は保税倉庫に留め置かれ、多額の延滞料(デマレージ)が発生、最悪の場合はシップバック(強制送還)や貨物放棄となる可能性があります。

 

3.HSコードの調べ方

日本からベトナムへ商品を輸出する際のHSコードの確認方法で、最も確実なのは現地フォワーダー・輸入者を通じたベトナム税関での確認です。

今まさに、ベトナムへの初めての商品輸出を検討しており、「HSコードの確認」でお困りであれば、お気軽に「お問い合わせ」ください。

別途、「現地フォワーダーへの確認」以外のHSコードの確認方法には、主に日本の税関Webサイトの「輸出統計品目表」や「実行関税率表」で6桁(国際共通)を調べた上で、ベトナム側で適用される8桁〜10桁を確認する方法があります。

ですが、実務上では、辞書通りの訳では検索でヒットしないケースが多く、現地の慣習的な呼称で特定する必要があったりと難しい部分があります。

参考URL(別サイト): 輸出統計品目表|財務省

 

4.HSコード特定における注意点

4-1.日本・ベトナム間の解釈の相違

日本側で「この番号だ」と判断しても、ベトナム税関が異なる解釈(異なるHSコード)を主張することが多々あります

この場合、ベトナム側の判断に従わないと輸入許可が下りません。

いち事例
日本側 食品扱い
ベトナム側 健康食品扱い(規制対象/事前のライセンスの取得が必須)

4-2.「EPA(経済連携協定)」の適用可否に影響

日本からベトナムへの輸出では、「AJCEP」や「VJEPA」等のEPAを適用して、関税を無税、または軽減できる場合があります。

無論、HSコードが正しくないと、関税優遇が受けられません。

また、特定したHSコード原産地証明書(C/O)に正しく記載されていることが、関税優遇を受ける絶対条件です。

4-3.HSコードによって規制が変わる

HSコードにより、「関税率」や「輸入前(日本からの輸出前)の該当ライセンス取得」等の規制が変わります。

  • 関税率
  • VAT(付加価値税)
  • 輸入ライセンスの要否
  • 商品に関する書類の作成・保管
  • 検品(食品・化粧品など)

つまり、誤ったHSコードで輸出してしまうと、通関できなかったり、思わぬ追加コストが発生し、想定していた事業が展開出来ずじまいとなってしまう可能性があります。

 

5.実例|化粧品の輸入関税とVAT

弊社の販売店事業が、ベトナム国内で流通している化粧品の輸入関税VATに関する簡易一覧表。(*EPA税率を適用しない場合)

HS CODE 商品 輸入関税 VAT
3401.30.00 ボディシャワー 27% 8%
3305.10.90 シャンプー 15% 8%
3304.99.30 洗顔料 20% 8%
3304.99.30 ボディローション 20% 8%
3304.99.30 保湿クリーム 20% 8%
3304.10.00 リップ 20% 8%
3304.99.90 フェイスマスク 20% 8%

※輸出側(日本側)が、原産地証明書(C/O)を発行できれば、EPA税率=0%が適用される。

もしC/Oが手配できなかったら、輸入関税に20〜27%掛かり、競合との価格戦略どころがビジネス自体を見直す必要が出てきます。

事業シミュレーションをする上でも、HSコードの正しい特定が必要不可欠です。

 

6.HSコード特定ミスが招くリスク

HSコードの特定ミスは、単なる「調べ間違い」では済まず、計画していたビジネス自体を再構築せざるを得ない状況に追い込まれるリスクもあります。

6-1.過少申告による罰金

関税率が低いコードで申告し、後に否認された場合、追徴課税に加え重い罰金が科せられます。

6-2.貨物の滞留

HSコードが決まらない限り通関が止まり、ポートチャージ(港湾保管料)が膨れ上がります。

6-3.ライセンス未取得の露呈

正しいHSコードを特定した結果、実は「輸入禁止品目」や「要ライセンス品目」だったことが判明し、貨物放棄シップバックをせざるを得ないケースもあります。

 

7.実務上のよくあるトラブル事例

  1. HSコードの認識違いで通関ストップ
  2. 想定より高い関税が課税
  3. 規制対象と判定され輸入不可
  4. FTAが適用できずコスト増

これらは、「事前確認を確実に行う」ことで難なくクリアできます。

HSコードの確認方法で、最も確実なのは輸入国側の現地フォワーダー・輸入者を通じたベトナム税関での確認です。

 

8.まとめ

ベトナムへの輸出において、HSコードは「コスト(関税)」と「スピード(通関)」を左右する鍵となります。

  • HSコードは必ず日越両方で確認する
  • 最終判断はベトナム側が基準
  • 不明点は現地輸入者・通関業者に確認
  • 規制対象品は特に慎重に対応

日本側の基準だけで判断せず、必ずベトナム側の規定と現地の通関実務を確認するようにしましょう。

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