「ベトナムへの商業輸出を始めたいけれど、最初は少量だし、どの輸送方法が一番効率的なのだろう?」

そんな疑問をお持ちではありませんか?

一般的に「貿易=海上コンテナ」というイメージが強いですが、実は貨物の量やフェーズによっては、海上便が必ずしも最適解とは限りません。

先日、弊社に「ベトナムでの化粧品販路開拓」に伴う物流サポートのご相談をいただきました。

ご相談者は、日本国内の総合コンサルティング企業様。

ベトナム側のパートナー企業とも提携済みで、いよいよ「第1回目となる正式な商業輸出」を控えたタイミングでした。

当記事では、弊社が数ある輸送手段の中から、なぜあえて「EMS(国際スピード郵便)」をご提案したのか、その「判断基準」と「その他輸送方法との比較データ」、そして「EMSでも商業輸入・国内販売は可能か?」という実務的な疑問への回答を、実際のサポート事例をもとに詳しく解説します。

これからベトナム市場へテストマーケティングや少量輸出をご検討されている企業様にとって、コスト最小化とスピードを両立させるヒントになれば幸いです。

 

ご相談者からのご依頼

ご相談者

ご相談者は、東京都にある中小企業様への実務代行・支援に特化した総合コンサルティング企業様。

2025年に、某化粧品のベトナムでの販路開拓の一環で弊社にご連絡いただき、ホーチミン市で面会。この際は、「委託販売の依頼先」として弊社へご連絡いただきました。

その後、同社のベトナム側の提携企業様と商品の流通準備を進め、2026年初旬に、「物流サポート依頼」で再度、弊社へご連絡いただきました。

ご依頼事項|「物流サポートのお願い」

原産地証明取得によるEPA適用を前提とした、第一便目の正式な商業輸出を検討しており、輸出コストのお見積り提案のお願い」を弊社へご依頼いただきました。

「現在のビジネスの進捗状況」や「輸出条件等」の事前ヒアリングをメールで行った上で、3社間でのオンラインミーティングを開催

  • 日本側|総合コンサルティング企業様のご担当者様
  • ベトナム側|同社パートナー企業様(*)のご担当者様
  • 弊社|西堀(当Webブログ運営者)

(*): インポーター及び代理店開拓を承る在ベトナムのコンサル会社

 

ご相談者のビジネス状況

事業状況

同社が取り扱う商品のベトナムの化粧品市場での販売準備が整い、ベトナム側の提携先企業様と提携し、商品を本格的に流通開始するタイミング。

前提条件|ベトナム側の提携先企業様によって完了している手続き

課題事項|最適な輸出方法がわからない

流通準備は整ったものの、本格的に商品を流通(商業輸出)するべく、初便の最適な輸出方法を模索されている状態でした。

 

貨物情報|ベトナム市場で流通させる化粧品

商品 カートンサイズ(cm) 重量 入り数 カートン数 体積(M3)
ジェル 34 × 21 × 15 45g 24 2 0.021
美容液 35 × 21 × 27 30ml 40 1 0.020
合計 84 3 約0.041
多くの船会社やフォワーダーでは、LCL輸送の最低受託単位を「1.0 M3 (RT)」として設定しています。今回の貨物は0.041 M3ですが、1.0 M3分の料金がミニマム料金として適用されるのが一般的です。

 

本件に最適な輸送方法として「EMS」をご提案

弊社が提案した輸送方法|「EMS(国際スピード郵便)」

本件では、「EMSで輸送する方法」をご提案しました。

「事前ヒアリングで得た情報」と、お見積り依頼を受けていた「海上便(LCL/混載)」と国際宅急便による「航空便(LCL)」の2つの方法と比較した上で「EMS」をご提案しました。(比較表を用いて後述)

EMS輸送をご提案した3つの理由

  1. 購入者利益最大化を追求
  2. EMS」でも、商業輸出できる
  3. 比較した3つの輸出方法の中で、手続きが最も簡単

それぞれ見ていきます。

①購入者利益最大化を追求

購入者(=ベトナム市場で実際に商品を流通させる提携企業様)の利益最大化を追求を第一に考えました。

いかに、商品が良質でベトナム市場でも評判が良くても、ベトナムの提携先が利益が出ないと、その後の継続的な取引がドライブしていかないことが想定できます。

「日本側の売り手企業」・「ベトナム側の買い手企業」両社にとって、輸送コストの最小化は、初回便に限らず、商品を流通していく上で、至上命題です。

②「EMS」でも、商業輸出できる

EMS(国際スピード郵便)」でも、日・越企業両者が協力し書類手続きを行えば、商業輸出できます。

商業利用する商品の輸送を「EMS」で行う場合、ベトナム側の対応が重要です。

少し話が脱線しますが、ベトナムには5つの主要輸入通関手続きがあります

  1. 「TRADING IMPORT (COMMERCIAL USE)」貿易輸入[*当記事内容]
  2. 「NO COMMERCIAL IMPORT」無償貨物(非商業目的輸入)輸入
  3. 「PROCESSING IMPORT」一般的に輸出加工型企業(EPE企業)向けに適応される輸入手続き
  4. 「MANUFACTURING IMPORT」輸入した資材(有償)から製品を製造・国外輸出する場合
  5. 「FIX ASSET IMPORT」工場等で固定資産として利用する貨物の輸入

今回のご依頼内容の場合に当てはめると、①「TRADING IMPORT(COMMERCIAL USE)」貿易輸入をEMSで行う方法となります。

貿易輸入するために必要な書類は、8つあります。

  1. I/V: インボイス(Invoice)
  2. P/L: パッキングリスト(Packing List)
  3. P/I: 請求書(Payment Invoice)
  4. S/C: 販売確認書(Sales Confirmation)
  5. C/O: 原産地証明書(Certificate of Origin)
  6. D/N: 発送通知書(Dispatch Note)
  7. B/S: 支払い明細書(Bank Slip)
  8. C/B: 化粧品開示書受領番号(Công Bố/Announcement)

日本側の手配書類: ①,②,③,④,⑤,⑥
ベトナム側の手配書類: ⑦,⑧

弊社でも、2025年初頭に、この方法での貿易輸入を行った経験があります。

関連記事: EMS|国際スピード郵便で輸入した貨物をベトナム国内で販売する時に気をつけるべきこと。

③比較した3つの輸出方法の中で、手続きが最も簡単

この後すぐ、3つの輸送方法をまとめた比較表を用いて、詳しく解説しますが、「EMS」を利用した輸送が、手続きが最も簡単です。(且つ、輸送コストを最小限に抑えることができる。)

「初回の商業輸出で不明点が多く手探りな状態であった点」、「貨物数量が少量であった点」、そして「切迫したスケジュールではなかった点」等の前提条件を考慮した上で、最適解として「EMSでの商業輸出」をご提案しました。

 

比較した3つの輸出方法|航空便 vs 海上便

  1. 海上輸送|LCL/混載
  2. 航空便(*)|国際宅急便/クーリエ(FedEx/DHL)
  3. 航空便(*)|EMS(国際スピード郵便)
比較項目 ①海上輸送 ②航空便 ③EMS
概算運賃 約55,000〜70,000円 約40,000〜55,000円 〜35,000円程
リードタイム 〜18日程度 2〜4日 4〜7日
配送範囲 港(カトライ)まで
指定先住所まで(Door)
指定先住所まで(Door) 指定先住所まで(Door)
手続きの煩雑さ 高い(通関・B/L等) 低い(インボイスのみ) 非常に低い
現地費用 別途発生(D/O費等) 基本込み(関税除く) 基本なし(関税除く)

(*): 航空便は、FedExやDHLなどの「②国際宅急便(クーリエ)」と、郵便局の「③EMS」を想定。

まず、海上輸送は「港での最低料金」が発生するため、このサイズだと航空便(特にEMSやクーリエ)の方が安くなる、あるいは同等の価格で手元まで届くため、海上輸送を選ぶメリットはほぼ無し。

Q&A|EMSで輸出した商品を、ベトナム国内で販売できるのか?

回答:

はい、できます。

解説:

先述した通り、商業利用を目的とした商品輸送でも、EMSを利用できます。

弊社も、実際に2025年初頭に実際に「EMS」で商品を輸入し、該当商品をベトナム国内で流通(販売)した経験がります。

関連記事: EMS|国際スピード郵便で輸入した貨物をベトナム国内で販売する時に気をつけるべきこと。

関連記事: 普段、日本の化粧品を「FCLコンテナ輸入」している弊社が、わざわざ「EMS」を利用して少量輸入をせざるを得なかった理由とは?(*近日公開予定)

 

まとめ|初回輸出の「最適解」は貨物量とコストのバランス、そして提携企業との事業戦略にあり

今回の事例では、貨物サイズが0.041(M3)と少量であったことから、最低受託単位(1.0 M3)の壁がある「海上便」と、「EMS」と比較して構造上どうしても割高になる「国際宅急便/クーリエ」を避け、コスト・手続きの簡便さ・スピードのバランスが最も優れた「EMS」をご提案しました。

ベトナムへの商業輸出において大切なのは、単に送ることではなく、「現地の受け取り手が無理なく利益を出せるスキームを構築すること」です。

  • 「自社、取り扱い商品量だと、どの輸送ルートが一番安いのか?」
  • 「手続きで躓きたくない」

といった不安をお持ちの方は、ぜひ一度弊社の実務知見をご活用ください。

当記事のポイント
  • 少量貨物(0.1 M3以下など)なら、海上便より航空便(特にEMS)の方がトータルコストを抑えられる。
  • EMSでも正しい手続き(書類準備)を行えば、正式な「商業輸入」として通関し、現地販売が可能。
  • 購入者(現地パートナー)の利益を優先することが、ベトナム市場での売り方の幅を広げるとこに繋がり、結果その後の継続的な取引(ドライブ)に大きく影響する。

 

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  • リスクの優先順位付け|初取引でハマりやすい罠を回避するための具体的アクション・失敗事例

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