フォワーダーとは?|ベトナムから日本への輸出業務の内容と存在意義を解説
ベトナムから日本へ商品を輸出する際、必ず関わることになるのが「フォワーダー(Forwarder)」と呼ばれる物流会社です。
しかし、初めて輸出業務を担当する場合、
- フォワーダーとはどんな会社なのか?
- 物流会社や船会社と何が違うのか?
- どこまでの業務を依頼できるのか?
といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
フォワーダーは、国際物流の手配を行う専門企業であり、輸出業務をスムーズに進めるために重要な役割を担っています。
旅行に例えるなら、航空券、ホテル、現地ガイドをまとめて手配してくれる旅行代理店のような役割と言えるでしょう。
当記事では、フォワーダーの基本的な役割と、ベトナムから日本への輸出物流においてどのような業務を担当するのかを初心者向けに解説します。
1.フォワーダーとは
フォワーダーとは、国際輸送の手配を行う物流専門会社のことです。
英語では、「Freight Forwarder」と呼ばれ、輸出者や輸入者の代わりに貨物の輸送手配を行います。
自社で船や飛行機を運航しているわけではなく、次のような物流関連会社と連携することで、「貴社(輸出者)」と「取引先(輸入者)」にとって最適な輸送を手配します。
- 船会社
- 航空会社
- 通関業者
- 運送会社
このように、フォワーダーは「国際物流をコーディネートする役割」を担っています。
2.フォワーダーが必要な理由
国際物流では、輸送だけでなく多くの手続きや調整が必要になります。
例えば、輸出物流には次のような工程があります。
- 輸送手配
- 港への搬入
- 輸出通関
- 海上輸送
- 輸入通関
- 国内配送
これらの工程を、すべて自社で手配するのは非常に難しいため、物流の専門会社であるフォワーダーに依頼することが一般的です。
フォワーダーを利用することで、貴社(輸出者)は、物流業務の負担を大きく減らすことができます。
関連記事: ベトナム貿易の基本|日本向けの輸出フローと物流の仕組みを解説
3.フォワーダーの主な業務
フォワーダーは、輸出物流のさまざまな業務を担当します。
主な業務は次の通りです。
- 3-1.国際輸送の手配
- 3-2.船舶スペースの予約
- 3-3.輸出通関サポート
- 3-4.輸送スケジュール管理
- 3-5.輸送書類の発行
以下で、それぞれの業務について詳しく解説します。
3-1.国際輸送の手配
フォワーダーの最も重要な役割は、貨物の国際輸送を手配することです。
輸送方法には次の種類があります。
- 海上輸送
- 航空輸送
- 国際宅配便
- 陸上輸送
輸出者から貨物情報を受け取り、最適な輸送方法を提案します。
3-2.船会社・航空会社の手配
海上輸送の場合、フォワーダーは船会社にコンテナスペースを予約します。
この作業は、「ブッキング(Booking)」と呼ばれます。
貴社(輸出者)から、下記情報等を共有いただくことで、コンテナスペースをブッキングし、輸送スケジュールを手配します。
- 貨物重量
- 梱包サイズ
- 出荷予定日
- 輸送港
3-3.輸出通関サポート
輸出貨物は、税関の許可(Customs Permit)を受けなければ、海外へ出荷できません。
従って、フォワーダーは、輸出通関に必要な書類の確認や申告サポートを行います。
3-3-1.主な確認書類
- インボイス(Commercial Invoice)
- パッキングリスト(Packing List)
- 船積依頼書(Shipping Instruction)
輸出書類については、「別記事」でも詳しく解説しています。
関連記事: ベトナムから日本への輸出に必要な書類一覧
3-4.輸送スケジュール管理
国際物流(輸出入)では、船のスケジュール管理がとても重要になります。
3-4-1.シッピングスケジュール
- 出港日(ETD)
- 到着予定日(ETA)
- コンテナ搬入期限(CY Cut-off)
- 船積み期限(Cut-off Date)
これらのスケジュールを管理し「貴社(輸出者)」と、日本側フォワーダーを通じて「取引先(輸入者)」へ共有することで、輸出物流がスムーズに進みます。
3-5.輸送書類の発行
海上輸送では、「船荷証券(B/L_Bill of Lading)」という重要な書類が発行されます。
3-5-1.B/Lの役割
- 貨物受領証
- 輸送契約書
- 貨物引渡証
この書類は、フォワーダーまたは船会社によって発行されます。
4.フォワーダーと船会社の違い
よく混乱されるのが、「フォワーダー」と「船会社」の違いです。
両者の役割を簡単にまとめてみます。
| 項目 | フォワーダー | 船会社 |
| 役割 | 輸送手配 | 実際の輸送 |
| 業務 | 物流コーディネート | 船の運航 |
| 対象 | 荷主企業 | 物流会社 |
- フォワーダー: 物流の窓口役
- 船会社: 輸送手段の提供者
フォワーダーは、運送手段を自社で持っていません。
「貴社(輸出者)」と「船会社(*)」の仲介者として、貴社にとって最適な「door-to-door」輸送をコーディネートしています。
(*): 船会社に限らず、航空会社や運送会社等の運送人の仲介者として輸送を手配
5.フォワーダーと通関業者の違い
| 項目 | フォワーダー | 通関業者 |
| 主な業務 | 国際輸送の手配、荷主の代理 | 税関への輸出入申告・許可手続き |
| 役割 | 運送手配のコーディネーター | 通関手続きの専門家 |
| 輸送手段 | 持たない(船や飛行機を手配) | 通関業務のみ |
| 対応範囲 | ドアツードアの輸送(陸・海・空) | 港湾地区での手続きが中心 |
| 通関 | 代行・外注する | 自社で行う |
- フォワーダー: 「国際輸送全体の手配」を行う業者
- 通関業者: 「税関手続き(通関業務)」を行う業者
通関手続きに関しては、「通関業者」に依頼することで、貴社(輸出者)の輸送を一気通貫でサポートしています。
6.フォワーダーを利用する利点
貴社(輸出者)の立場で考えると、「フォワーダーを利用すると、輸送手段や通関手続きを行うための手数料を支払う必要性」の根拠が必要です。
ここからは、貴社(輸出者)がフォワーダーを利用する利点についてお伝えします。
6-1.トラブルが起きても、物流の専門サポートを受けられる
フォワーダーは国際物流の専門企業であり、輸出入の実務経験が豊富です。
そのため、物流トラブルやスケジュール調整にも対応できます。
6-2.最適な輸送ルートの提案とスペース確保
ベトナムから日本への輸送には、「船(コンテナ・混載便)」や、「航空便」など多様な選択肢があります。
フォワーダーは、取引する貨物、物量、予算、納期等あらゆる条件をまとめて、「貴社(輸出者)」と「輸入者」にとって最適なスケジュールを提案・手配します。
6-3.複雑な輸出書類の作成・確認
輸出には、「インボイス」や「パッキングリスト」のほか、「売約定確認書」、「原産地証明書」等の様々な書類作成が必要です。
フォワーダーは、これらの書類に不備がないかチェックし、あるいは書類作成を代行し、トラブルを未然に防ぎます。
関連記事: ベトナムから日本への輸出に必要な書類一覧
6-4.物流業務を一括で依頼できる
フォワーダーに依頼することで、すべての輸出業務を1者へまとめて依頼できます。
- 国際輸送手配
- 通関サポート
- 書類作成サポート
- 国内配送
輸出作業につき、フォワーダー1社からの請求に対応するだけで済みます。
輸入者との取引に関して明快な会計処理に繋がります。
これらの理由から、貴社(輸出者)は、フォワーダーを利用することで、物流業務の負担を大きく軽減でき、且つ輸入者へスムーズに貨物納品できます。結果的に、貴社(輸出者)は、不慣れな物流業務に時間を割くことなく、自社業務に注力できます。
7.まとめ|フォワーダーは、貴社の国際物流を担うパートナー
フォワーダーは、国際物流を手配する専門企業です。
輸出物流では、次のような業務を担当します。
- 国際輸送手配
- 船会社ブッキング
- 輸出通関サポート
- 輸送スケジュール管理
- 輸送書類発行
ベトナムから日本への輸出では、フォワーダーと連携することで物流をスムーズに進めることができます。
初めて輸出業務を行う場合は、自社の状況を理解し、親身にサポートしてくれるフォワーダーを選定することが大切です。
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